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第9話 繋がれて(後編)
裕太side
久しぶりに、りっちゃんの家へとやってきた。
相変わらず、大きなタワーマンション。
りっちゃんの両親は共働きで、しかもお医者さんと看護婦という、なんともすごいお家なのだ。
しかし今は、そんな事を話している余裕がない…!!
両親共働きということは、今りっちゃんの家には誰もいない。つまり2人っきり。
そして、さっき学校の図書室で言った、あの意味深な言葉……。
俺の部屋でシよう
俺の部屋でシよう
俺の部屋でシよう
だっーーー!!なに考えてるんだ!!
とゆうか!りっちゃんの気持ちが全く理解できないのだが。
「さ、入って」
この前僕フラれた、よね?
それで、りっちゃんが望むならただの幼馴染みや弟でいようって決めて……。
「あ……お邪魔します」
なのに今。
僕はりっちゃんの家に来てて、りっちゃんの部屋のベッドに座らされていて……。
それで……。
「裕太」
「あ、はいっ……!」
りっちゃんは、制服のネクタイを緩め、外した。
ごくり。と息をのむ。
「さっき、俺のこと拒んだよね?」
「…!だからそれは」
これはまさか……
「弟がお兄ちゃんに手をあげるなんて、再教育の必要アリだね」
「え、えぇぇぇぇ!!?」
いきなり!鬼畜エロメガネキターーー!!
………
…………
「…はぁ、ん」
なんでこんなことに…。
「……」
僕は今、りっちゃんにがっつり見られながら、1人でオナニーをしていた。
「りっちゃ……これ以上はもう……!」
恥ずかしすぎるうえに、りっちゃんに見られながらしたことで、いつもよりも早くイキそうだった。
「もう?俺はただ、いつも裕太がしてるのを見させてもらってるだけなんだけど」
りっちゃんは僕のそれを指ではじいた。
「っぁあ……!」
その瞬間、張り詰めていたものが一気に溢れだし、解放される。
「はぁ、はぁ……」
くたぁ、と全身の力が抜けて、りっちゃんに寄りかかる。
「もう、これでいい……?」
それで今日は終わりかと思っていたのに、りっちゃんは僕を後ろから抱きかかえると、僕の後ろの孔を弄りはじめた。
「ちょっ……!?りっちゃ、どこに指…入れてっ」
「男同士のセックスでは、ここを使うんだ」
なにその知識!?
僕の言葉など気にする様子もなく、孔を解していく。
「や、だ…ぁ」
なんか、変な……感じ。
「ん、だいぶ解れてきたね」
りっちゃんの指が1本から2本へと増えた。
そしてふいに、指が奥まで入ってきたとき、こりっとしたところを指で押された。
「はぁぅっ………!」
なに……今の……?
変な声でた……!
「ああ、………ココ?」
「んぁっ……!や、そこ……ダメ…!」
さっきよりも強く、そこを刺激される。
「ひゃあぁぁっ!む、むりぃっ」
強い刺激に、息を荒げてしまう。
りっちゃんは空いていたもう片方の手で、再び膨れ上がった僕のそれをもって、上下に動かした。
「あぁぁっ!両方、は、むりぃっ…んぁ!ひっ…」
「っ、裕太……!」
いきなり指が抜かれ、ベッドに仰向けにされたかと思うと、りっちゃんの膨れ上がった熱が、僕の孔に当てられた。
「へ……?りっちゃ」
「…っ」
「あ、あぁぁっ!」
大きく熱いそれが、僕の中へと入ってきた。
「や、くる…しぃ」
い、痛い!!痛いよ!?
熱いし、苦しいっ!
「りっちゃ!抜いて……!」
「…だめ。ほら、力抜いて」
力抜いてって……そんなの、無理っ。
「むりっ、むりっだ、からぁ……」
思わず涙目になって言うと、りっちゃんが僕に覆い被さり、キスを落とした。
「んっ……」
深く啄まれ、舌を絡めとられる。
「はぁ……っ」
りっちゃんにキスされると、力が抜けてく……。
そしてそれを狙っていたかのように、りっちゃんの猛々しいそれが、僕の中へとさらに入ってきた。
「っあぁ!ひ、ん……」
「っ。全部、入ったね」
僕との接合部分を、りっちゃんは撫でた。
「あ、ぁ……」
体中が熱い。
「裕太、動くよ」
「ひあっ!」
さっき指で押された、こりっとしたところを、りっちゃんは何度も太いそれで擦った。
「や、ぁっ!んぁ」
突かれるたびに、目の前が真っ白になった。
体中が熱く火照って、徐々に快感が強くなる。
「あぁっ、ぁん……も、イク……!」
「裕太……!」
絶頂に達する直前、りっちゃんの動きがピタリと止まって、耳元で囁かれる。
「裕太……好きだよ」
「…!」
ゾクゾクっという感覚が全身を駆け抜け、再び動き出したりっちゃんに、僕はあっけなく熱を放った。
「あぁっ____!」
それと同時に、りっちゃんの熱も、僕の中で溢れた。
「っ裕太…!」
…
………
「……太」
「……」
「…裕太」
「……ん」
目を覚ますと、りっちゃんが僕の髪を撫でていた。
「あ……りっちゃん」
「…起きた?かなりぶっ飛んでたよ」
「……ん」
目覚めて、先ほどの行為を思い出す。
りっちゃんが珍しく頬を高揚させ、息も荒々しく乱れて僕を……。
あ、これって事後っていうんだっけ。
なんか急に恥ずかしくなってきた……。
布団の中で縮こまっていると、りっちゃんの手が僕の頬に添えられた。
「ごめんね、さっきは……」
「……え!……いや、その……」
なんといえば……。
別に、りっちゃんだから全然嫌じゃなかったし……。
それにむしろ、けっこう……気持ち良かった。
「りっちゃん」
「……ん?」
あ、声……。いつもの、優しい声だ……。
「さっき、僕のこと……」
「好きだよ」
「っ!」
りっちゃんが、僕を……?
ずっと聞きたかった、その言葉。
「裕太が好きだ」
「りっちゃ……」
ヤバイ、涙が……。
「裕太、図書室のときはごめんね」
僕は、首を横にふった。
りっちゃんが謝る必要なんて、どこにもない。
「俺、実はめちゃくちゃ不器用で」
ふふ、知ってるよ……。
昔からそうだもん。
「裕太のこと、これからも、誤解とかそんなので、傷つけるかもしれない」
それは、覚悟してたよ?
だって、相手がりっちゃんだから。
男同士だし……。
「それでも好きだから」
「……」
「それでも、俺と一緒に居てくれる?」
いっつも無表情のくせに。
「……うん」
こうゆうときだけそんな顔、ずるいよ……。
困った、泣きそうな顔なんかしちゃってさ。
そもそもりっちゃんの頼みなんて、僕が断れるわけないのにさ。
「僕も、側にいたい」
りっちゃんに正面から抱きつくと、かすかに鼓動の音が聞こえた。
なぜかそれが、とても心地よくて
「…ありがとう」
りっちゃんの匂いに包まれて、安心……する。
すごく、眠い。
まぶたを閉じかけて、うとうとしていると、りっちゃんが僕のおでこにキスを落とした。
「おやすみ、裕太」
そして僕は、緩やかに、眠りについた。
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