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第1話
性欲が無い。
と言えば嘘になるが、最近はセックスしたいと思うことが減った。昔に比べれば、そりゃあ歳は取ったし、気持ちよさより疲れるって感情が先にきてしまい、睡眠優先なのが原因なんだろうけど。
けど!そんな俺でも、たまにはシたいと思う日もあるわけで。
「早く舐めてよ」
「また?」
「いいじゃん」
恋人の大地 は、渋る俺の腕を引っ張って自分の股間に引き寄せた。布越しの性器は既に勃起していて、ヤる気満々らしい。
はあ、溜息が出る。
のそりと顔を上げて、呑気に寝そべるだけの大地のスウェットとパンツをずらし、性器を取り出して少し扱いてから口に含んだ。
すぐに頭を上下させて唇と舌で扱けば、大地が俺の頭を掌で押さえて、動きを止められた。
奥まで咥えて動かず、舌だけでしろって事らしいけど、これって案外疲れる。
少しだけ付き合ってやり、この行為をとっとと終わらせようと頭を動かし、舌を沢山使って大地を追い詰める。
性器の質量が増して堅くなるのが咥内だとよくわかり、もうイくだろうってタイミングが掴める。頬も首も辛いのを我慢して舐め続ければ、押し殺した声と一緒に、俺の咥内へ射精した。
ビクビクと射精を繰り返す性器をゆっくり扱いて、出切ったのを見計らってそっと唇を離す。
そばにあったティッシュを数枚引き抜いて、そこへ精液を吐き出した。
丸くしたティッシュをゴミ箱へ放り投げ、キッチンへ口をすすぎに行く。
「あ、俺明日仕事で帰って来られないから」
「わかった」
大地は服装を整えてテレビを見始めた。
「俺先寝るわ」
「んー」
気の抜けた返事をした恋人をリビングに残して、俺は寝室で眠りについた。
マンネリ、なんだろうか。
この数ヶ月はこんな調子で、俺が大地にフェラして終わり。
最後にセックスしたのはいつだっただろうか。
別に自分からセックスしたいと持ち掛けてまでしたいとは思わないけど、まあ溜まるものは溜まるわけで。まあオナニーすればいいだけの事なんだけど。中を擦られて気持ちよくなりたい、と思う日もあるわけで。
だからなのか、最近何というか・・物足りないというか・・不完全燃焼というか・・モヤッとすることが増えた気がしていた。
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