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第39話 告白編34※

「まあ、確かにあの山くんの行動がひとつのきっかけにはなったよな」 「だね。じゃなきゃ、雪ちゃんとこんなこと出来なかったもん」 「ああ、もう。そんなの見せなくていいよ!」    風呂場での写真の束を広げながらそう言った春樹の手から俺は写真を奪おうとした。  なのに、春樹は楽しそうに俺の両手を押さえて笑いながら抵抗する。  もう、じゃれ合ってるんじゃないんだからな。この酔っ払い! 「でも本当のところ……どうなんですか? 雪ちゃん」 「何が?」  いきなりオキに聞かれ、俺はやっとのことで春樹から取り返した写真を手に、動きを止めて聞き返した。  すると、それぞれ俺とみんなが写っている写真を並べながらオキは言う。 「そろそろ答えをくれてもいいんじゃないかなって……こんなに良さそうな顔しちゃってさ」 「なっ!」    写真に写っている俺の顔を指差しながら言われ、一気に俺の顔が熱くなってしまった。 「そうだな。雪乃くんが覚悟決めるまで待つつもりではいたけど……正直、限界は近いかも」 「僕が迫った時、雪くんあまり抵抗しなかったよね? それって、OKってこと?」 「い、いや、あの時は、睡眠薬のせいで……」    陽愛くんに迫られ俺がしどろもどろになりながらも説明をすると、さっきから手首を掴まれていた春樹の手に力が入る。 「じゃあ、雪ちゃんは俺達に触られて気持ちよくないの? 嫌だった?」    聞き方が直球過ぎるだろ!  そりゃあ、気持ちよくないかって聞かれたら……性的な意味でみんな触ってくるんだから、感じないわけないじゃん。  俺だって正常な男なわけだし……。  でも、そんなことを正直に言おうものならどうなるかわからないので、俺は必死に言い訳を探す。 「嫌って言うか……その……」 「嫌じゃなければ、いいでしょ?」 「え……?」  何が……と聞き返そうとした俺の唇は、いきなり近づいてきた春樹の唇によって塞がれてしまった。  あまりに突然の出来事に、驚いた俺の手からは写真が零れ落ちる。  春樹に唇を塞がれたまま、いつの間にか床へと押し倒されていた。 「ちょっ、ちょっと! 春樹」    なんとか顔を逸らして唇の自由を取り戻した俺は、慌てて春樹の身体を押し戻して抵抗しようとした。  だけど、いきなり両手首を誰かに掴まれ頭の上で押さえつけられる。  驚いた俺が上を見上げると、俺の頭の所に涼介が座り込んでいて俺の両手を押さえていた。 「おい、放せって!」    両手を押さえられていたら、身体の上に圧し掛かる春樹を退けることが出来ない。  それなのに、涼介は俺の両手を放す気配をみせなかった。それどころか……。 「本当に嫌なのか……試してみようよ」    そう囁いて、俺の唇へと深く自分のそれを重ねてきた。 「んっ……んぅ、あ……」    アルコールのせいか、絡み付いてくる涼介の舌が熱く感じる。  口の中を動き回る涼介の舌に俺が顔を仰け反らせてしまうと、露わになった喉元を誰かの舌が這っていく。  それに合わせて、俺の身体の上の重みも移動していくので、俺の首を舐めているのはきっと春樹なのだろう。 「あ、はぁ……んぁ」  息をまともにするのもままならなくて、俺が酸素不足になりかけていると、シャツの裾から誰かの手が滑り込んできて、そのまま直に俺の右の胸を撫でた。 「んぅっ!」    俺がビクッと反応を返すと、今度は指先で僅かに引っ掛かる突起を集中的に撫でてきた。 「雪ちゃんの身体……熱くなってきたね。アルコールのせい? それとも……興奮してきた?」    胸を執拗に弄りながら、耳元でいつもよりも低い声でオキがそう言うと、苦しさからなのか俺の瞳から涙が自然と溢れ出した。 「……雪乃くん」    それに気づいたのか、今まで俺の唇を塞いでいた涼介が顔を離し、労わるように俺の額へとキスを移動させた。 「はっ……はぁ……んっ」    必死に自由になった口で息を吸い込むが、上手くいかずにだんだんと頭がぼーっとしてきて、さらに涙が零れる。 「雪くん……ゆっくり息しな、大丈夫だから」    優しい陽愛くんの声が顔の近くで聞こえたかと思うと、温かい舌でそっと目元の涙を舐められた。  その声に少し安心した俺は、ゆっくりと呼吸をして空気を吸い込んでいく。  その間、涼介と陽愛くんはそれぞれが俺の顔中へと優しくキスを繰り返していた。春樹とオキも少し愛撫の手を緩めているようだ。 「んんっ……」    俺が落ち着いてきたタイミングを見計らって、陽愛くんがそっと囁く。 「息詰めると、苦しいだけだからね」    そう言って俺の耳へと軽く噛み付いてきた。 「んあっ!」    そのまま耳の中を陽愛くんの舌で舐められ、俺の身体は大きく跳ねて口からも変な声が漏れてしまう。  すると、頭上にいた涼介が俺の手首を掴んでいた手を離した。 「ちょっと……フローリングだと危ないかも」    涼介のその言葉で身体に触れる感覚がなくなったと思った次の瞬間、いきなり両脇に後ろから涼介が腕を入れ、俺の身体を引き起こした。  そうなると、俺の身体は同じ方向を向いた涼介へと後ろに寄りかかる形になる。 「暴れて頭でも打ったら大変だから」    言いながら、さっきの陽愛くんとは逆の方の耳を涼介が口へと含んだ。

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