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第40話 告白編35※
「あ……」
咄嗟に逃げようとした俺だったが、腰にしっかりと涼介の腕が回されていて動けない。
その間にオキが俺のシャツを捲り上げ、陽愛くんに両腕をあげられて服が脱がされてしまった。
寒さのせいではなく俺が身体を震わせると、オキが俺の両頬をその小さな手で包み込んで真正面から見つめてきた。
いつもだったら可愛いと思えるオキの素顔も、今だけは男らしく感じる。
「雪ちゃん、怖い? 大丈夫、気持ちよくさせるだけだから」
いつもよりも優しいトーンでそう言うと、オキの唇が静かに俺の唇へと重なってきた。
そのまま舌でゆっくりと舐められ、俺はつい口を開けてしまいオキの舌の進入を許してしまう。
それでも、オキの舌が激しく迫ってくることはなく、無意識に俺の舌が逃げても優しく口の中を舐めてくるだけだった。
そんなキスに安心してしまったのか、いつの間にか俺の身体からは力が抜けていて完全にオキに舌を絡めとられていた。
「んっ……ふぅ……」
オキとのキスに意識を持っていかれていると、今までおとなしくしていた他のみんなが愛撫の手を再開してきた。
「雪ちゃん、俺達だっているんだからね」
少し拗ねたように言いながら、春樹は俺のへそ辺りに顔を埋めて舐めてくる。
その感覚に後ろへと逃げようとした俺の身体だったが、それは涼介に阻まれて出来なかった。
「ここ……弄って欲しそうに反応してるよ」
さらに涼介はやたらと色気のある声でそう言って、腰に回していた腕を上へと移動させ両方の胸の突起を指で摘んできた。
「んあっ!」
びくっと大きく身体が跳ねた拍子に、口を塞いでいたオキの唇が離れる。
すると、俺の頬へと手が添えられて横へと顔を向けさせられた。
「雪くん、僕にも」
「……っん……ん」
休む暇もなく今度は陽愛くんにキスをされる。
陽愛くんに俺の唇を取られたオキは小さくため息を吐くと、頭の位置を下げていく。
「涼くん、片方ちょうだい」
そして、涼介の手が離れた方をオキが口へと含み、軽く噛み付いたり舌先で舐めたりを交互に繰り返す。
その間に涼介の手も休むことなく、二人にそれぞれ違う刺激を与えられる。
「……っぁ……んっ」
同時に与えられるいくつもの刺激に俺の口からは意味のない言葉が漏れるが、それも全て陽愛くんの口へと消えていく。
これがアルコールのせいなのかはわからないが、俺は抵抗して逃げ出すことも出来ずにみんなからされるがままになってしまう。
みんなも酔いの勢いがあって、いつもより強気なのかもしれない。
俺は無意識のうちに膝を擦り合せるように閉じようとしていたようだが、それにいち早く気づいた春樹が自分の身体を間に割り込ませてきた。
「どうしたの? 雪ちゃん」
陽愛くんの唇からやっと解放されて下を見下ろせば、俺の身体の変化をわかっていてそう聞いてくる春樹の顔があった。
普段は無邪気な可愛い笑顔見せるくせに、こういう時は悪そうな顔しやがって……お前、そんなに男らしいキャラじゃないだろ!
そう心の中で思っていても、俺の口からは耳を塞ぎたくなるような声しか出てこない。
「あ……やぁ……っ」
口を手で押さえたくても、陽愛くんが俺の耳を舐めながらいやらしく手を撫でてくるものだから、それすら出来ない。
……身体が熱い。もう、これはアルコールがどうのってレベルじゃなくて……みんなが触る所からどんどん熱が広がって……我慢できない。
まるで、そんな俺の心の声が聞こえていたかのようなタイミングで春樹がいきなり上を脱ぎ出した。
「雪ちゃんの色っぽい声聞いてたら、なんか熱くなってきちゃった」
そして、その手が俺のスウェットへと伸びる。
「雪ちゃんも脱いじゃった方が楽でしょ?」
春樹は一方的にそう聞くと、俺の返事も聞かずに俺のスウェットを脱がしてしまった。
そうなると、俺は下着一枚の姿をみんなに晒すことになる。
「あっ……」
俺は恥ずかしさで、一気に身体の熱が上がったのがわかった。きっと顔だけじゃなくて全身赤くなっているはずだ。
だって、自分の身体が今どうなっているかなんていまさら見なくても十分わかる。それをみんなにも見られているのかと思うと恥ずかしくて仕方ない。
「お酒飲んだから勃たないかと思ったけど……心配ないみたいだね」
改めて自分の身体の変化を涼介に耳元で囁かれ、春樹のてのひらで布越しにそこを撫でられると、耐え切れずに涙が零れてきた。
すると、いつの間にか陽愛くんと場所を交代していたオキが横からギュッと俺を抱き締めてきた。
「ほら、なんで泣くの? 雪ちゃん」
「だ、だって……」
なんか俺だけ服脱がされて、一人で興奮して……みっともないじゃんか。
そう思った俺は、ふと抱き締めてくるオキが素肌だということに気づいた。
オキも少しは興奮しているのか、その触れた肌はいつもよりも熱かった。
なんか……この温もり、安心する。
すると今度は、同じく上のシャツを脱ぎ去っている陽愛くんが下から見上げるように俺に顔を近づけてきた。
「どうせ泣くなら、気持ちよくて泣いて欲しいな」
そんな恥ずかしいセリフとともに陽愛くんの唇がそっと俺の唇へと重なってきた。
触れるだけの優しいキスに、俺が遠慮がちに陽愛くんの背中へと手を回してみると、その肌も熱くなっている。
陽愛くんの唇が離れると、俺は顔だけ涼介の方へと振り返った。
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