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第27話

「あの、ボク……ごめんなさいっ」 「え? ちょっ、チィ!?」 罪悪感が募り居たたまれなくなって俯くと、虎汰たちがまた慌てた。 ボクは彼らを困らせてばかりいるみたいだ。 「こらっ、謝るの禁止!!」 「そうだよ! それに敬語も禁止だって言ったよね? 俺たちには気軽に話してよ、 ね?」 「………う…うん……」 虎汰たちの申し出に躊躇うが、本心からそう願ってくれているようなので素直に頷く。 すると二人も今度こそ安心して笑う。 「んじゃ、俺らもそろそろ出掛けるか。時間が時間だし、ゆっくりもしてられない!」 そう言って流星くんは壁に掛けられた時計を見ながら立ち上がった。 今の時刻は17時07分……。 お店はまだ開いているだろうが、急がないといろいろ見て回れないかもしれない。 釣られて立ち上がろうとするけど、ふと自分が裸足だったということに気づく。しかも今は治療され包帯でぐるぐる巻きにされている。これでは外に出掛けられない。 でも自分の靴は持っていないし、どうしようと虎汰たちを仰ぎ見た。 「あ、そっか。チィ裸足だったね、どうしようか?」 ボクの視線に気づいた虎汰が思案しながら隣を見る。 けれど流星くんは顎に拳を当てて暫く考える素振りを見せたが、直ぐに何かを思いついてポンッと手を打った。 「とりあえず車までは俺が運ぶ!その後、店で靴買えばいいだろ?」 「―――ふえ? ぁ……わああぁっ!?」 彼は言うや否やボクの背と膝の下に手を入れて軽々と抱き上げ、悠々と入口に向かおうとする。 でもそれに先に意を唱えたのは、ボクでも誰でもなく何故か虎汰だった。 「ズルいぞバカ流星! 俺だってチィ抱っこしたいっ」 「バカは余計だっ! つかお前だとこの先の階段降りる時にチィ落っことしそうで怖ぇっつの!!」 その言葉に虎汰はカチンときたのか、キッと流星くんを睨み返した。その表情はかなりのご立腹だ。 「俺より背が高いからってバカにすんなっ! チィ一人くらい俺だって楽に担げんだよ!!」 「フンッ、“担げる”……だろ? 男は黙ってお姫さま抱っこくらいできないとな♪ 」 皆よりも背が低い事を気にしているらしい虎汰は、怒りに任せて声を荒げる。対して流星くんはバカ呼ばわりされた腹いせか、まるでそれを煽るように返した。

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