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後悔先に立たずもいい所で
「はぁー……。いきなり連絡来て人のことを脅したかと思えば……」
「脅したって何よー!?あたしが脅したってー!?本当に将来の危機なのよ危機!この子の!」
「……どうも。」
佐藤彩斗 ですと、軽く頭を下げて挨拶をされ、こちらも慌てて挨拶をする。
自身の元カノで、この少年の姉にあたる結花 のまとう雰囲気とは正反対であると印象を受けつつも、太陽は姉の結花へと視線を戻した。
「で?半年なんてそんな長期間に及んで、おれが面倒みなきゃ行けないだなんて結論に至ったの?」
「いやぁ~……、なんといいますか……」
「?」
「……、下の弟妹が煩いもので。集中出来そうにないんです。」
ピシャリと言い放った少年の言葉に、太陽の目が点になっていると、結花が彩斗を窘 めつつも、家の姉弟の年齢差が広いからと補足を入れた。
そんな結花の補足に、目の前の二人も、実際の所は14歳もの年齢差があるなと納得し、だがしかしと揉めだした目の前の姉弟を見据えて言う。
「事情は分かった。けどなんでおれ?結花だって一人暮らし、してんだろ?」
そこだ。まずそこが第一問題なのである。
姉である結花と赤の他人である自分。
ましてや彩斗は受験生なのだ。
他人よりも姉にお世話になった方が心労的にも楽なのではないだろうか。
そう思い至って口に出した太陽は、結花の顔を見て瞬時に自身が発した言葉が"不正解"だった事を悟ってしまった。
「うん、確かにそうなんだよね……だからあたしも彩斗に家においでって言ったんだ……けども」
「半年もの間、ねぇさんとその恋人の邪魔者にはなりたくねぇよ。それに婚約中だろ。尚更、気ィ使うし気が散るし胸焼けがするわ」
「このとーりなのでーす。」
顔を赤らめつつ、むすくれた結花に太陽は苦笑いで返しつつ、二言返事で返してしまった。
「いいよ、半年くらい」
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