ようやく正気に戻り、恋の体を話すと少しずつ冷静になってくる。 これから恋をどうするか、どう俺達は生きていくか。 「恋、本当に俺の所にいるのか。」 「うん！」 「…おじいちゃんやおばあちゃんのところにいた方がいいんじゃないか。」 「ううん、僕勇気さんと一緒にいたいの。」 そう笑う姿はどこかアイツに似ていて。 今は居ないはずのアイツに重ねてしまう。 なぁ紀実。 お前はこんな俺を見たら笑うだろうな。 でも、これが俺ができるたった一つの罪滅ぼしなら。 「…よし、恋。一緒に生きていくか。」 「うん。」 「ママとパパが帰ってくるまでな。」 「はーい！」 小さな恋の手を握る。 いつか恋が、両親が二度と帰ってこないと知った日何を言うだろうか。 いつか恋が、男同志の恋愛が普通じゃないと知った日何を言うだろうか。 いつか恋が 俺を他人だと知った日、何を言うだろうか。 「恋、幸せになろうな。」 俺は確かに恋の親になったのだろう。 キミが遺したコイを知った その日から。 fine.