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「ゆーき!!」
青空の下、紀実が大きく手を振った。
太陽に照らされて少し色の抜けた髪がキラキラと光る。
俺は駆け足でその姿に駆け寄っては少し背の高い紀実の目を見上げた。
「紀実、いい事でもあったか?」
「バレた?実はさ2組の高橋さんに告白されたんだよ!」
「え、告白?」
その言葉に目を見開く。
嬉しそうにリュックの肩紐を握って笑う紀実へすぐに祝の言葉を返せなかった。
そんな俺を見ては紀実は不思議そうに首を傾げた。
「なんだよ、勇気なら喜んでくれると思ったのに。」
「いや、…お前なんかに告る物好きもいるんだなって思ってたんだよ。」
「ふふん、やっと俺の魅力がわかる子が現れたんだよ。羨ましいかー?」
「…羨ましいよ。」
彼女が、心底羨ましいよ。
お前と隠す事無く恋愛を出来る彼女が羨ましいよ。
紀実は嬉しそうに「そうだろ」と笑っては俺の紙をクシャクシャと撫でて、それから無理矢理に肩を抱いた。
「そんな顔すんなって!お前にもすぐ春が来るからさ。俺なんかとずっとにいちゃ駄目だぞ。」
「…俺はお前と馬鹿してんのが楽しいんだよ。」
「俺だって。…勇気が、一番に決まってる。」
その声に思わず顔を上げた。
なんで、そんなに優しく笑うんだ。
なんでそんなに そんなに好きにさせるんだ。
「でも!早く彼女作れよ!」
「うるさい、ばーか。」
「っははは、馬鹿は勇気もだろ!」
何気なく過ぎていく毎日が
お前に恋をして 失恋して それでも親友でいた毎日が
俺にとって ずっと ずっと
初めての恋でした。
「…勇気さん、泣いてるの?」
「恋、…なぁ。俺とお前だけの秘密だぞ。」
「うん。なぁに?」
恋の小さな体を抱きしめて、もう会えないキミへ
最初で最後の告白を
「俺はずっと、紀実が好きだった…っ今も、これからも大好きで…好き、だった…!」
「…うん。パパきっといっぱい嬉しいよ!」
さよならをしよう
そしてこの恋を守っていこう。
いつまでも 2人だけで。
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