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低血圧

あまりにも起きないからベッドの下にシーツを引いてそこに思いっきり突き落とした。 「わーった!起きるって!」 「あ…まさか俺、またなんかした?」 今までの事が何も無かったかのように喋り出す。 全部覚えていないのか? 「覚えて…無いの?」 首元を掻きながら欠伸をしている姿はなんだか猫のようで可愛らしかった。 「俺、小さい頃から低血圧で寝起き悪いんだわ…だから、全部無視して…ふぁぁ…」 「良かった…って良くないよ!なんでこんなとこで寝てんの?!」 「あー…彼方を起こしに来たら泣いてた…から一緒に寝てあげようと思ってベッド入ったらすぐに泣きやんだ…」 そうなんだ…また誰かが居なくなる夢を見てしまったせいなのだろう… 「ありがとぅ…いいから早く出てって!」

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