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想い Side美晴
「ははっ…はははっ…そんなくだらない事をずっと気にしてたのか?」
「くだらないこと?何?くだらない事って?僕はずっと朔也苦しめてきたと思ってて告白という1歩を踏み出せずにいたのになんで…んっ…」
続きの言葉は全て朔也によって止められて何もかも考えられなくされた。口の中で舌が暴れまわり神経の全てが口の中へと集中する。
「気にすんな…もう」
さっきまでの怒りの込められた言葉はどこにも無くて今は優しくて温かい言葉になっていた。
「俺は…美晴が好きだよ…美晴は?」
ここで本当の気持ちを口にしてもいいのだろうか?僕が側にいてもいいのだろうか?色々な疑問が浮かんできて中々返事を出すことが出来ない。
「悩まなくていい…今の、本当の美晴の気持ちを教えてくれ…俺は美晴を恨んで無い…嫌いになった事なんて無い…だから本当の気持ちを教えて?」
そんなに甘い声で言われたら抵抗なんて出来るわけないじゃん…
「僕も、好きだよっ…」
「美晴ならそう言ってくれると思った…ははっ…」
「笑うな!気持ち悪い…俺様め…ふふっ…」
自然と出てくる笑いは重かった空気を一気に吹き飛ばして新たな光を与えてくれた。とても温かく笑う彼の側に一緒にいる事ができている自分がいる事が今、何よりも1番幸せな事だ。
Fin
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