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第9話

瀬木(せぎ)さんか… 交換した番号を登録しながら頭の片隅に浮かぶあのイケメン。 どこかで見たことがあるようなないような… そりゃ保育園も一緒なんだし、同じ校区に住んでりゃ見かけることもあるだろうし… それで見たことあるだけなのかな? にしても、なぜあの人が独り身なのか… それが気になって仕方がない。 あまりにも完璧すぎる容姿に女性たちは一歩引いてしまっているのだろうか? それほどまでに整った顔は忘れることができない。 『パパー!冬馬くんのお家にはいつ行くのー?』 『うーん…いつだろうなぁ?冬馬くんのパパも忙しいだろうし…』 ピロン! その時、携帯にメールが届いた。 《こんばんは!瀬木です。さっそくですが、今週の日曜日はお暇ですか?冬馬が悠希くんと遊びたいとうるさくて…ご迷惑でなければうちに遊びに来ませんか?》 あれま…なんとタイミングのいいこと… 『悠希!冬馬くんのパパがお家に遊びに来ませんか?だって。』 『えー!いくいくいくいくいくいくー!』 『わかったわかった。じゃぁお返事しとくな。』 やたらと喜ぶ悠希が可愛くて顔がほころぶ。 なんて言いながら、自分も嬉しくてついニヤついてしまったりして… まぁ、あんなイケメンそう見れることもないのだから見とかない手はない。 いや、まったくそういう気はないのだけれど。 その日はなんだか二人して嬉しくて、終始ニヤつきながらご飯を食べ、風呂に入り、眠りについたのだった。

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