『ということは、お互い同じ境遇ということですか…。』 『ですね…。』 お互いに頭を掻きながら苦笑する。 なんともまぁ、お互いがシングルファーザーになった原因が妻の不倫って。時代よな。 いや、俺はわかるよ？ シングルファーザーになる前は仕事一筋で帰りも尋常じゃないぐらい遅いし、育児家事すべて妻に任せてた部分もあって捨てられてもおかしくはない状況だったんだけど… 瀬木さんのことは全然知らないけど、見た目的にきっちりしてそうだし、家庭も大切にしそうなタイプだと思うんだけどな… しかもこんなイケメン…。 瀬木嫁は贅沢者か？ なんて考えながら瀬木さんを見る。 『ん？』 『え、あ！いや！なんにも！』 バチッ！と目が合い、不覚にも男にドキドキする俺。 俺ってメンクイなのかな…苦笑 『近藤さん。そろそろあの話をしましょうか？』 『あの話？』 『えっ？あの話をするためにうちにいらしたんではないんですか？』 『へ？』 かなりのマヌケ面だと思われる顔をしながら俺は思考をグルグルさせた。