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第五夜

ディックが、ディック・ポートマンになってから、色々と覚えなければならないことは山のようにあった。 領主として身につけなければならない知識や礼儀作法はもちろん、次期当主としてポートマン家の歴史も頭に入れておく必要があったし、学生としての勉学もある。 寄宿舎に入らずに通いでいける学校へ転入しておいたのは幸いだったなと、日々を忙しく過ごしながら義父が勧めてくれ学校の宿題を終わらせる。 「お茶をお持ちいたしました」 「ありがとう、ランティス」 「すっかり、ここでの暮らしも慣れたようですね」 「んー、どうかな。まだ半年ちょっとしか経ってないしから戸惑うことも多いけど、どうにかこうにか、ね。分からないことは父さんやランティスが教えてくれるし、頑張ってはいるけどね」 当主の仕事の役に立つのは当分先になりそうだけどーーーと言うと、執事は首を横に振った。 「貴方は立派に旦那様のお役に立ってますよ。私も、予想以上でした。貴方は旦那様のご子息にふさわしい。旦那様が自然と笑えるようになったのは貴方のおかげでしょう」 そこまで褒められるようなことはしてないとディック言えば、謙遜はしないでくださいと苦笑された。 「あの方は自分の人生をお父上に全て作り変えられたのだと思っているようですが、私は最初からヴォルフラム様は愛されるためだけに生まれてきたんだと思います。それこそがあの人に必要なものなんです。なので、全力で愛してあげてください」 ランティスの深い言葉に返事を返そうとした時、愛しい人の姿が視界に入り込んできた。 「ディック、ここにいたのか。部屋にいると思ってたのにいないから、少し探したよ」 「ごめん、父さん。今夜は星が綺麗だから、テラスで勉強してたんだ。探してたって何か用事?」 「いや、大した用事じゃないんだ。ただ、少し寝つきが悪くて、ね」 視線を逸らしつつ頬を赤らめた義父が無意識に放つ色香に、ディックはくらりと眩暈を感じた。 父に何を求められているかなど、もはや口に出さずとも察することができる。椅子に腰掛けたままヴォルフラムに微笑み、提案する。 「じゃあ、せっかくだから今夜はここでしてもいい?」 答えはすぐに与えられた。資料を片付け、テーブルに手をついてヴォルフラムが腰をディックに向ける。ディックは義父の求めに応え、椅子から立ち上がるなり、手早く互いの下肢を覆う邪魔な布をずりおろしてすぐさま挿入した。「俺、父さんのせいですっかり悪い子に育ったよね」 屹立が義父の中にすっぽり収まった時には、側にいたはずのランティスはどこかへ消えていた。 情熱的に媚肉で屹立を包み込んでくれる義父に、ディックは存分に酔いしれる。 気持ちいい、なんて言葉では足りないほど心地よかった。まるで自分の為に誂えたかのように。 「俺すっかり、欲しがりになったなぁ。っていっても、父さんしか欲しくないけど」 「僕の息子だからね。…んっーーー欲しがりなのは仕方ない」 「そうか…そうだね、親子だもんね、俺たち」 血は繋がってないのに、似た者親子だねと笑い合い、キスを交わす。 すっかりディックの形に開くようになった義父の秘部が、縋り付くようにキュンっとディックを締め付ける。 「愛してるよ、父さん……。だからもう安心して?父さんの父さんに負けないくらい、俺が死ぬまで愛してあげるから、ね?」 甘く、ねっとりと耳朶を食みながら囁けば、義父は陶然とした表情でこの上なく嬉しそうに微笑んだーーー。 ☆ ☆ ☆ オフィシャル作家への意気込みーーーと言えるほど大層なものはないんですが、書きたいものを書いて、それで誰かにちょっとでも楽しんでもらえたら嬉しいな、と思います。以上!!

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