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◆◇◆ カーン…。 微かに聞こえたのは、教会の鐘の音。 「……?」 視界にあるのは、見慣れた自分の部屋。 ほんの少し開けた窓から流れてくる風がカーテンを揺らしている。 陽が傾いていないところを見ると、まだ昼前の時間のようだ。 ふわ…。 頬に触れていたのは、青みがかった銀色の髪と耳。 ふっくらとした頬。 「ふに…」 気持ち良さそうに眠る幼子は、毛布の中に入れて抱き締めると安心しきった笑みを浮かべた。 「ふふ…」 ぴすぴすと鼻を鳴らしてアルフリートの香りを嗅ぎ、キュウッと抱きつく。 毎晩寝かしつける時には、こうしてぺったりくっついて眠るアレクが可愛くて仕方ないのだ。 『お日様の香りがする。 あれは、アレクが見せてくれた夢?』 意識が無くなる前の重怠さや苦しさ、耐えがたい疼きは引いている。 ほんの少し怠い位で、リカルドと抱き合った事も実感が薄くて。 『やっぱり夢だったのかな…』 幼子の柔らかな香りに誘われて意識が再び沈もうとした時、静かにドアが開いた。 「アル?」 気遣いながら入ってきたのはリカルドだ。 どう反応したものかと、アルフリートは咄嗟に目を瞑る。 「アル…、まだ寝ていてくれよ」 『……?』 ふわ。 「んに…っ!?」 「え、あ、アル?」 「ひゃっ」 いつも夢の中で待ちわびた羽の感触に、アルフリートは堪らず目を開けた。

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