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な、なんて……… 俺の事、好きって言った? 付き合いたいって……俺……男!! あまりのパニックに固まってると、雪村は笑った 「返事は出来れば今度にして。 ゆっくり考えて欲しい」 「ゆ、雪村………お前、マジで言ってる?」 冗談でこんなこと言う奴じゃないけど…… 「俺、ずっと前から如月が好きだったんだ。 一生懸命で頑張り屋で笑うと可愛くて…… 気付いたら落ちてた」 雪村は照れながら言ってきた 「ごめん。急に。引くよな……… でも、冗談で言ってる訳じゃない。 少しでも考えてくれたら嬉しい」 「………分かった」 雪村は二次会へ行き、俺は混乱しながら、待ち合わせ場所に向かった 正直、男と付き合うなんて考えられない でも、雪村は大事な友人でもある 断るにしてもキチンと考えなくては…… 駅のロータリーで緑川の車を探す 車内の緑川と目が合うと『早く乗れ』と合図された 「お帰り。 二次会より俺を優先するなんて…… 一体どうしたの?」 緑川はニヤニヤしながら聞いてくる 「………さぁ」 俺は魂が抜けたように返事をした 「如月?」 緑川が怪訝そうに聞いてくる 「……………」 「………お前、何かあったの?」 「別に」 「誰かに告白された?」 ドキーーッ 思わず、心臓が飛び出しそうになった な、なんで!? 「もしかして……雪村……?」 ギクッ…… 体温が下がった なんで分かるんだよ!? 盗聴器でも仕掛けられてんのか!?

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