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ビクビクしてると緑川が睨んできた 「で?ハッキリ断ったの?」 「いや。考えて欲しいから、返事はゆっくりって言われて」 「はぁ!?」 な、なんだよ。何をそんなに怒ってんだよ 「お前、気を持たせてどうするんだよ。 それとも本当に雪村と付き合うつもりか!?」 「そ、それは」 ただでさえ、雪村の告白で混乱してるんだ そんなに問いつめないでくれ 「お前は、八方美人すぎる!」 なんだよ。その言い方…… 俺は、別に…… 「俺が誰と何したって、お前には関係ないだろ! なんで、そんな事言われなきゃ……」 「…………あるよ。 お前、俺のものだろ……?」 射抜かれるような目線が俺を捉える 緑川は怒ってた俺を一言で黙らせた 「ベルトして」 そう言ってエンジンをかける 「碧、今夜は覚悟しろよ」 覚悟ってなんの…………!? 俺、悪くないだろ! 運転中、緑川はものすごく機嫌が悪かった ここまで怒ってるの、初めて見る 何がそんなに気に入らないんだ 着いた先を見てギョッとする …………ラブホテルだ 「お……男同士で入れねーから!」 「うるせー。 家で大声出すと通報されるからな。 今日は手加減してやんないよ?」 待て待て! いつも、あれで手加減してたつもりか! 通報って……? 今夜は一体何やらされるんだ!! 「黙って着いて来い。ここで騒ぐと、(さら)し者になるぞ」 仕方なく、付いてく あぁ……神さま…… 俺に何か、恨みでもあるんでしょうか……

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