その夜、初めてやらないで一緒に寝た 俺の兄弟の話をしたり、好きな映画の話やスポーツ観戦の話ををしたりした こんな友達みたいに会話するの初めてかも…… そう思ってたら、急に手を繋がれてドキッっとする 目が合うと環は優しい顔をしてた なんとなく恥ずかしくて目を逸らすと、少し笑って頭を撫でてきた 「俺、眠い」 気まずくて、そう言う 「じゃ、そろそろ寝るか。お休み」 環は電気を消すとギュッと抱きついてきた 「これじゃ、寝れない」 「……いい子だから黙って寝ろ」 少しするとスースーと寝息が聞こえてくる 疲れてたんだろうか 疲れてたのに俺のために色々してくれた セックスしない俺に優しくしてくれる理由は なんだろう …………環は俺の事、どう思ってる？ 最初は体目当て？なんでもいう事を聞く相手が欲しかっただけ？ そう思ってた …………環は優しい …………俺を大事にしてる 鈍感な俺でも分かる 今日、俺が倒れたからとかではなく、いつも、大事にされていた…… でも……なんの為に？ ペットを溺愛 おもちゃに執着 こんな感じだろうか………… 脅されてるのは分かってる でも、優しくされて戸惑ってしまう 少しずつ居心地の良くなる、この不安定な関係に心が乱されながら結局、考えがまとまらず眠りについた