74 / 266

「あのさ……雪村……」 「と、とりあえず、飲もうよ!」 「…………うん」 「如月も飲んで!」 「お前、ちょっとペース早くない?」 雪村はハイスピードでグビグビ飲んでる あまり見た事ない 会社の飲み会でも、いつも一杯しか飲んでない ほんの数分の間に500mlを二本 三本目も凄い勢いで飲んでる 「雪村……そろそろ、やめとけよ」 そう言った瞬間 ガタッといって景色が反転した 「…………え?」 な、何!? あ…………俺、雪村に押し倒されてる!? 気付いた時には、遅かった 「ん!………んんっ」 しまった…………!! 無理やりキスされて慌てて抵抗する 肩をぐっと押すと唇をガブッと噛まれた 「………痛っ」 環の甘噛みとは全然違う 口端が切れて血が滲んだ 「逃げんなよ。如月」 「や、やめろよ。雪村………」 「やめるわけねーだろ!抵抗するな!」 おいおい!これは一体誰だ! ギラギラした目 乱暴な口調 掴まれた手首が痛い 「怯えてんの?可愛いね。如月」 穏やかで優しい雪村はどこに行った!? ジタバタ暴れると肩を掴んで、無理矢理、首元に口付をしてきた 噛みつくようなキス ピリッという痛みがしてキスマークを付けられたことに気付く 次々と新しい跡をつけられて体温ぎ下がる 「やめろ!離せ!」 強引にシャツを掴み、ボタンをちぎられた 「暴れるな!良くしてやるから……」 「い、嫌だ!やめ!」 ベルトに手がかけられ、体中がゾワッとする …………やられる!! 「痛!」 手に思いっきり噛み付いて、怯んだ隙に玄関まで走った 荷物、全部、置いてきちゃった…… なんだよ。今の…… 本当に、雪村? 酒飲んで豹変するとか…… あり得ない…… 怖かった…… …………嫌だった…… ワイシャツのボタンは、ほとんど飛んで無くなってた どうしよう こんな格好…… シャツの胸元をぐっと掴む どうしたらいいのか、分からなくて、トボトボと自分の家に戻った

ともだちにシェアしよう!