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「久しぶり」 「うん。家」 「この前もらったやつ、良かったですよ。 ……最高!」 「ははっ。相変わらず、酷すぎ」 「え?あー。もう少しかな?」 「…………まぁ、そうだけど」 「分かってます!」 誰だろう………… 環がほとんど素の状態で話してる 会社とかでは絶対にこんな表情見せないし、 こんなに砕けた口調は俺以外初めて聞く 目尻が下がって本当に楽しそう……… 時々、意地悪そうな顔したり、少しムッとしたり、環の表情はくるくる変わった 友達ならこれ位、当たり前かもしれないけど …………………モヤモヤする だって、これは俺だけに見せてた環の素顔 知らない誰かの存在に焦る 敬語が時々、入ってるから先輩とか? 「これから?……まぁ、いいですよ」 「そう。飯もまだなんで1時間半後に」 「………いや。マンションに行きます」 「分かってるって!」 「はいはい。じゃ後で」 今からその人の家に行くの? 「悪い。碧。飯、食おう」 「…………今の友達?」 「友達……じゃねーかな」 友達じゃないなら、なんなんだよ………… 「俺の事、こんなにボロボロにして置いてくつもりかよ」 「ちゃんと家まで送ってくよ」 そうじゃなくて………… 「環」 「うん?」 「行くなよ。ここにいて……」 「…………碧」 環の驚いた顔 自分の言ったセリフに気付きハッとする 「ち、違っ!体が辛いから家に一人だと色々、大変だと思って!!」 「ふーん?」 「な、なんだよ!」 「寂しいの?」 「別に!!」 環はくすっと笑って、スマホをタップした

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