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「今日、お前……何時頃に上がれるの?」 「仕事溜まってるから早くても9時位」 「俺のが早いな。 じゃ。飯作ってやるからうちに来い。 夜は食べたとしても少なめにな」 「返事は?」 「…………分かった」 よしよし。来るのか 何作ろうかな………… 予定より早めに碧が来た 「よぅ。早かったな」 「……お邪魔します」 すれ違った瞬間、ガタッと碧を床に押し倒した 雪村の香水の匂い …………間違えるわけない 以前、同じ香水を使っていたから 「……な……なんだよ……」 「本当に仕事か?なんで他の奴の匂いつけて、帰ってきてんの?」  「え?」 碧は訳のわからないというような顔をしてる 「香水……これ、雪村のだろ?」 言われてハッとしていた 心当たり有りかよ 「雪村と何やってたの?」 自分でもビックリする位、低い声で問い詰めた 「何もしてない!ぶつかっただけ!」 「ぶつかっただけで匂いがうつるかよ」       どうして碧のことになると、感情が抑えられないんだ 「本当だって……」 「…………」 「他の男、試してみたくなったのかよ。 告白されて調子に乗ってんじゃねーの」 その瞬間、碧は俺を見上げた 冷めた目で見られて、ハッとする 「……帰る」 俺を押しのけて、碧は立ち上がった

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