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、
「おい……」
俺が声をかけても、碧は無視をして玄関に向かった
「待てよ」
伸ばした俺の手を振り払う
「俺に触るな」
碧、怒ってる…………
「碧……」
「雪村とは本当にぶつかっただけだ。
飲みに誘われたけど、その場で断ってちゃんと帰ってきたのに……」
「…………ごめん」
そう言って俺は後ろから碧を抱きしめた
「やめろよ。離せ!」
ジタバタ暴れるけど、ぎゅっと抱きしめて離さない
「俺が悪かった。
帰るなんて……言うなよ……」
「…………お前は勝手すぎる」
素直に謝った
碧の話も聞かず決めつけて酷い言葉を吐いた
「雪村に取られそうで心配なんだ。
反省してるから帰らないで……」
碧は俺のものじゃない
その事実に焦ってる
腕を引っ張りクルッと向きを変え、向き合って抱きしめた
「ごめん。碧。……悪かった」
「…………」
碧……
お前の事が、好きなんだ…………
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