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碧がもぞもぞして、目を開けた 「起きたの?」 「……メガネ」 やけにジロジロ見てるな 「俺、普段はコンタクト。 碧、メガネ好きなの?じっと見過ぎ」 「み、見てない!」 「くす」 「そういえば……お前、なんで雪村とぶつかったの、わかったの?」 碧が聞いてきた 「香水だよ。俺も前に同じやつ、使ってた」 「へ、へぇ~」 「……雪村になんて返事するの?」 「明日、ちゃんと断るつもり」 断るのか………… なんだ…… そうだよな。碧はストレートだもんな 「そっか……そうか!」 やばいな。ニヤけちまう 「いい子だな。碧」 嬉しくて碧の頭を撫でた 「あのさ。毎日のように飯食わしてもらってるし、俺も食費出すよ」 真面目か! 「ぶっ、ははっ。 碧……お前、脅されて無理やりやられてるのに何言ってんの!真面目だな〜」 でも、碧の良いとこ、だよな 「……」 「別に気にしなくていいけど…… 今度、ビールとかで返して。 あとは食べたいものあれば、食材買ってきてくれてもいいよ」 「……わかった」 「なぁ、碧」 「何?」 「雪村と会う時、付いてってやろーか?」 「いらん!余計ややこしくなるだろ」 本当はアイツに牽制してやりたい でも、『断る』という碧のセリフが嬉しくて一人で笑った

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