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第18話

「日和?どうかした?」 芹沢がこちらを覗き込んでくる。 「いや、俺は、芹沢と同室でよかったなあって思ってたから」 「俺もだよ」 日和の言葉に、芹沢がにっこりと微笑んだ。日和はほっと気持ちが軽くなる。 「仲良いなー」 階段を登りきった佐竹にしみじみ言われて、日和は顔が熱くなる。 「俺も同室と仲良くなれればいーな。あ、313、ここだ」 部屋の前に荷物を置いて、佐竹が深々とお辞儀をする。 「荷物ありがとう。これからよろしくね」 「こちらこそ」 日和と芹沢も頷いて、隣の自室に戻ろうとする。と、佐竹の部屋がゆっくりと開いた。ドアの前にいた佐竹がおっと飛び退く。 「あー、同室の人?」 ドアからひょこっと顔を出したのは、目立った風貌の小柄な青年だ。金髪に碧眼で、ハーフなのだろうか。流暢な日本語に違和感がある。円らな瞳が、日和たちの方を向いた。 「君たちは?」 「荷物が多かったから、運んでもらってたんだ」 「小春日和です。こっちは芹沢薺。」 「俺は佐竹瞬。君は?」 「僕は甲賀リオン」 「リオンはハーフなのか?」 芹沢が聞くと、リオンは頷いた。 「うん。イギリスと日本のハーフ。でも、こんな風貌でもずっと日本にいるから、英語も喋れないんだよね」 やれやれ、といった感じでリオンは肩をすくめ、佐竹を部屋の中へ招き入れた。 「これからよろしくね」 リオンと佐竹に軽く手を振り、芹沢と日和は自室に戻った。

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