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第1話

「あのさぁ、智也、オナホの使い方って知ってる?」  放課後、幼馴染みの大貴がこっそり僕の席に来たかと思うと、そんなことを聞いてきた。  クラスが違うのに、わざわざ僕のクラスまで来て聞いてきた。  オナホって何だろうって思った。  でも、顔を赤くして声を潜めて聞いてきた大貴の様子からして、知らないと恥ずかしいことなのだと思った。 「知ってるけど、大貴は知らないの?」 「そりゃ知ってるよ。でも、一度使ってみたんだけど、全然気持ち良くなくてさぁ」  オナホとは、使うと気持ち良くなるものらしい。 「僕が使うときは気持ち良いけど。大貴の使い方が悪いんじゃないの?」 「やっぱり、使い方が悪いのかな。こういうのって、あまり人に聞けなくて」  じゃあなぜ僕に聞くんだろうと思ったけど、僕たちは小さいときからの大の仲良しで、隠しごとは一切ない。  僕も分からないことがあったら、大貴に聞くようにしている。 「もっと使い方を工夫してみた方がいいよ」 「色々とためしてみたんだけど、上手くいかなくて。智也が教えてくれないか?」 「え?僕?!」  教えてくれと言われても、オナホが一体なんなのか分からないので教えようがない。  でも今更、オナホって何?とは聞けない。 「わ、分かったよ。明日でいい?」 「今日じゃ駄目か?今日、両親の帰りが遅いんだ」 「で、でも…」 「いいじゃん。家が隣同士なんだし、家に荷物置いてから、うちに来いよ」  強引な大貴は珍しい。  よっぽど切羽詰まっているらしい。 「分かったよ。じゃあ、今日行くよ」   僕はつい承諾してしまった。

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