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拾ったモノは…②
ふいに視界の端に映り込んだのは、薄汚れたグレーの塊。
ん?何だ?
通り過ぎて、なぜか後ろ髪を引かれてまた引き返した。
もふもふの毛皮の塊がプルプル震えている。
まさか、まさか、これは…子犬!?
雑種?こんなグレーの犬種って何だったっけ?
どうしてこんなところに。
親は?辺りを見回しても気配もない。
首輪もない…野良犬の子供か?
「お前、どうしたんだ?こんなところで…
親はいないのか?
どっか怪我してんのか?腹が減って動けないのか?」
話しかけながらしゃがみ込んで、震える身体にそっと触れてみた。暖かい。
びくっと反応し、顔を上げたその子は…
かっわいいーーーーー!!!!!
何だ?この潤んだ円らな瞳は!
うっわーーーーー!!!!!
反則ですよ、これはっ!
“きゅうーん”
小さな声で、それでも甘えたような声で鳴かれたら、いや、そんな、俺、今から商談なんですけど。
その子は必死で首を持ち上げると、俺の指をペロペロと舐めた。
はうっ
どっきゅーーーん!!!!!
うわっ
ときめいている場合かっ!
あー、いや、時間もないんですけど。
「ごめんな、俺、すごく急いでるんだ。
ごめん、誰か他の人に…」
泣く泣く立ち去ろうとしたら
“きゅうん”
何とも切ない声で鳴かれた。
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