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病み上がりの狼⑦
お互いに息が上がるほど、散々に口を嬲り倒して、やっと…唇の拘束を解いた。
はぁはぁと息を荒げる葛西君は、頬を上気させ呟いた。
「…はあっ…須崎さん…激しい…」
その一言で、半勃ちになっていた俺自身が一気に大きさを増した。
完勃ちの俺自身が、葛西君のモノと丁度いい位置に布越しに当たっていた。
「あのっ、須崎さん、これっ…」
「かわいいこと言う葛西君のせいだ。
…このままベッドで…抜いてくれないか?」
「ダメですっ!シルバが…」
「話終わるまで部屋にいるように言い聞かせてある。
終わったら迎えに行くからと。」
「あっ!」
問答無用で葛西君を抱き上げると、寝室へ連れ去った。
葛西君をそっと優しく座らせると、彼は戸惑いの表情を浮かべて俺を見ている。
が、拒絶はされていない…と思う。
その目は潤み、情欲の匂いがしていた。
「ごめん…手でシてくれないか?
本当はすぐに繋がりたいけれど、ゆっくりと解さないと、君に負担がかかるから…
だから…お願いだ。せめて君の手で…
もう、我慢の限界なんだ…」
許しを請うように手の甲にキスをすると
「…嫌だと言ったら?」
「何度でもお願いするよ。」
輝は頬を染めたままクスッと笑うと
「…下手でもいいですか?」
と、とんでもなくかわいらしいことを言うから、ますます痛いほどに固くなった。
「お願いだ…俺を…愛してくれないか?」
「『葛西君』じゃなくて、名前を呼んで下さい。」
「…輝 …」
限りなく照れ臭い。
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