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恋人side:輝⑦
身体の奥に叩きつけられるような迸 りは熱く、大量で、彼の愛がこもっている気がした。
その温もりを感じながら『愛されている』という感情に満たされた俺は、心地良さに身を委ねて…意識を飛ばした。
頭を撫でられる感触に次第に覚醒していく。
「輝…気が付いたか…よかった…」
「…えっ!?黒曜さんっ!?ここは…えっ?何で裸?
うっ、痛たたたっ…」
「すまない…加減できずに…しばらく横になってて。」
黒曜さんの甘い声音に胸の奥からじわりと何かが溢れ出るような気がする。
狂おしく愛おしい想い…
溢れるこの想いは何?
このシチュエーション…どう考えても事後…
腰への強烈な鈍痛と、尻の穴の妙な違和感が、俺の身体に何が起こったのかを想像させるには十分だった。
余りに好き過ぎて、妄想が現実化した?
「輝?」
黙りこくった俺に、不安気に声を掛ける黒曜さん。
「あの…」
「はい。」
「これ、夢じゃないですよね?」
「はい。」
「俺…あなたに…抱かれた…んですよね?」
「お互いの思いを確かめ合って恋人になりました。
それで…あなたを俺のものにしたんです。」
「妄想じゃなかったんだ…」
いつの間にか雨は止み、カーテン越しに月明かりがぼんやりと柔らかな光を落としていた。
「俺に抱かれたこと…後悔していますか?」
大きな身体を縮こまらせ、黒曜さんが項垂れた。
俺はつっと手を伸ばし、黒曜さんの頬に触れると
「後悔?そんなもの最初からありませんよ。
あなたと愛し合えて…幸せです。」
「…輝…」
ふっと影が差して、青い瞳が近付いてきたと思ったら、唇が重なっていた。
優しい優しいキスを繰り返し、満足気に微笑んだ黒曜さんに抱きとめられて、これ以上ない安心感のまま、俺はまた眠りについた。
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