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シルバ、デビュー!①
ん…何かに包まれてる?
それに、温かい。頭を撫でられてる。
すごくキモチイイ。
大好きな匂いもする。
徐々に覚醒していく意識。
頬にトクトクと規則正しい音が伝わってくる。
ハッ!
ばちっと目を開くと、逞しい裸の胸があった。
瞬きを繰り返し、自分の置かれている状況を次第に把握する。
恥ずかしくてもぞもぞと腰を引くと
「どうして離れるんだ、輝?身体は大丈夫か?」
「こっ、こっ、黒曜さん!?だっ、大丈夫ですっ。」
腰をぐいっと引き戻され、大きな腕に抱き竦められた。
「あぁ、輝が側にいてくれるなんて…
身体はどうなんだ?何か変わったことはないのか?」
「はい、特には…あの…黒曜さん…」
「何だ?」
「…恥ずかしいから離して下さい。」
「…嫌だ。もうしばらくこうしていて。」
言いながら、緩やかに拘束してくる。
それがすごくうれしくて、黒曜さんのなすがままになり、ぎゅっと抱きしめられている。
髪の毛を何度も何度も撫でられ、無数のキスを落とされ、下半身の違和感と、そして…
お腹の奥の温もりをはっきりと感じていた。
無意識にそっとお腹を撫でていたらしい。
それに気付いた黒曜さんが
「輝?お腹…どうしたの?」
「あ…なんか奥が温かくて、不思議な気がするんです。
きっと…中に『部屋』ができてる。」
「『部屋』?」
「はい。
子供を育むための部屋…『子宮』です。」
黒曜さんは考え深げに「子宮か…そうか…」と呟きながら、俺の手の上に大きな手を重ねてきた。
温かくて愛おしいその行為に、胸がきゅううっとなる。
しばらくじっとして、その温もりを堪能していた。
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