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収束①
兄さんの家でゆっくりさせてもらった(いや、惚気られて当てられた)後、俺達は やっと自分の家に帰ってきた。
懐かしい…そんな気持ちになっていたのは、センチメンタルな感情のせいなのか?
のんびり過ごそうと思っていたのに、黒曜さんの所に警察から電話があり『一応事情聴取を』と言われ、午後から出向くことになった。
勿論当事者のシルバも一緒にと。
恐怖を思い出してそれが新たなトラウマになったりしないか、俺はヤキモキしていたが、当の本人は
「ママ、僕大丈夫だから。」
と、あっさり引き受けてしまっていた。
一体シルバに何があったんだろう。
何だか少し、大人になったような気がする。
不思議な感覚を覚えながら、タクシーを呼び、三人で警察署へと向かった。
出迎えてくれたのは中澤課長だった。
「こんな慣れない場所だし、顔見知りの方が言いやすいこともあるでしょ?
花巻がいいかな、って思ったんだけど、あいつも同じ事件に関わる被害者だからね。ちょっとそれはマズイかな…って。
だから、俺が担当!
銀波ちゃん、俺でいいかな?」
「はい!」
「おおっ、いい返事だ。
じゃあ、早速…こちらの部屋へどうぞ。」
ドラマで見るような机と椅子しかないあんな部屋ではなく、ゆったりと寛げるようなソファーが置いてある、日当たりの良い部屋へ案内された。
「…課長…ここは?」
「あ、俺の部屋。…まさか取調室に連れて行かれるとでも?
被疑者じゃないんだし、まして銀波ちゃんも一緒だよ!?
そんな扱いは俺はしないよー!」
あははっ と豪快に笑う課長にホッとして緊張が解けた。
ノックの音と同時に女性が入ってきて、机に飲み物を置いてくれた。
そしてシルバに「これは特別」とこっそりお菓子を手渡して出て行った。
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