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収束②

満面の笑顔のシルバは「ありがとう!」とちゃんとお礼を言っていた。 (うん、よしよし。偉いぞ、シルバ。) 心の声が漏れていたのか、課長が俺を見て 「葛西…すっかりママだなぁ…」 と揶揄うように呟いた。 それをスルーして 「当たり前じゃないですか。俺ママですから。 で?何からお話しすれば?」 と切り返すと、また 「母親は強し…須崎さん、覚悟しといた方がいいよ…」 と今度は黒曜さんを揶揄い始めた。 怒っちゃダメだ。平常心、平常心… 呪文のように呟いて心を落ち着かせる。 俺の怒りの視線に気付いたのか、急に真顔になった中澤課長は 「さーて、先に銀波ちゃんの話を聞こうか。 で、終わったら隣の部屋でさっきのお姉さんと待っててもらって、その間にパパとママの話を聞かせてもらう。 銀波ちゃん、いいかな?」 「はいっ!」 「よーし、いい子だ。 辛くなったら話さなくてもいいから。 嫌な時は、お手々でバツしてくれるかな?」 「はい。」 「オッケー。 じゃあ、事故の時のことから聞こうか。」 …………………………… シルバは、時々泣きそうになりながら、それでも、バツ印のサインを出すこともなく、事故直後から救出されるまでの出来事を事細かに話して聞かせた。 そして最後に 「僕を捕まえたおじさん、『ごめんね』って泣いてた。 本当に悪い人じゃないと思う。 助けてあげて。」 と言った。 俺は思わず 「何言ってんの?シルバを誘拐した奴だよ!? 同情なんかしなくていいから!」 と叫んでいた。 シルバは首を横に振りながら 「『コイツにも家族がいるんだ』って泣いてた! あのおじさんにも家族がいるよ!? だから…だから、家族の所に帰してあげて!」

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