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収束③

シルバのその言葉に俺達は呆然として固まった。 シルバの真っ直ぐな瞳が、見る間に涙で滲んでくる。 俺はシルバをぎゅうっと抱きしめた。 あぁ、この子は… 想像もできないくらい、自分が途轍もなく怖くて辛い思いをしたはずなのに、自分を攫った犯人のことを心配するなんて… 純粋な心に愛おしさが募り泣きそうになった。 「…ママぁ…大丈夫?」 シルバは俺の背中を撫でてくれていた。 こんな時に俺の心配もしてくれるの? ありがとう、優しいシルバ。 俺はシルバのおでこにそっとキスすると 「…わかった。 シルバの気持ちは、中澤課長にも聞いてもらったから、伝えてもらおう。 でも、彼は犯した罪は償わなくちゃならない。 それはわかるね?」 シルバはこくりと頷いた。 ティッシュでそっとシルバと自分の目元を拭き 「ちゃんと説明できて偉かったな。」 と頭を撫でると、恥ずかしそうに くふん と笑った。 中澤課長が 「銀波ちゃんの思いはちゃんと伝えるよ。 これで銀波ちゃんのお話を聞く時間はお終いだ。 今度はパパとママに聞くから、隣のお部屋で待っててくれる? 絵本やお絵描きの道具も準備してあるから。」 「絵本!?」 シルバが目を瞬かせて椅子から飛び上がった。 タイミングを見計らったかのように、さっきの女性が入ってきて 「隣の部屋で銀波ちゃんをお預かりしています。 終わられたらお声を掛けて下さいね。」 と言って、シルバを連れて行った。 がちゃ ドアが閉まったのを確認した課長は 「さて…まずは須崎さんがストーカーされてた件からお聞きしましょうか…」 ………………………………… そして黒曜さん、俺…の順番で進められ、全ての聞き取りが終わった。

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