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母の日に⑦

今夜の話題はもちろんあの絵と友達の描いた絵の話。 話しながらもお代わりを連発する二人に、お腹は大丈夫なのかと心配しつつも、自分の料理を褒めてくれる二人に感謝しながら食事を済ませた。 壁に掛かる絵からは、幸せなオーラが出ているようで、気が付くとじっと見つめてしまっている。 そんな俺を見て、シルバはうれしそうに尻尾を揺らしていた。 そろそろ眠くなったシルバが“お休み”を言って部屋に戻ると、銀河をお風呂に入れてくれていた黒曜さんに呼ばれた。 気持ちよくなったのか、銀河もウトウトし始めている。 受け取って手早く着替えさせ、ミルクを飲ませると、もう銀河は夢の中で大人しく寝てしまった。 「銀波も銀河も寝ちゃったのか?」 「はい!二人とも。」 「輝…早く風呂入っておいで…」 色を含んだ声音に、さっきのキスを思い出し身体がぶるっと震えた。 頷くのが精一杯で、バスルームに駆け込むと今から存分に愛されるであろう我が身を丁寧に洗った。 寝室へ入ると、上半身裸の黒曜さんがベッドに腰掛けて待っていた。 「輝、待ちくたびれた。」 銀河が寝ているのを確認して黒曜さんの側に行くと、優しく手を取られベッドへゆっくりと押し倒された。 「さっきの続き…輝、愛してるよ。」 剥ぎ取られたバスローブは下に落ち、美しい獣に愛撫される身体は素直に綻び始め、簡単に彼を受け入れる。 近くで眠る銀河が起きやしないかと中々集中できなかったが、全身隈なく愛されて、次第に零れ落ちる吐息を止める術もなく、愛の行為に溺れていった。 日付が変わってもそれは続けられて、やっと満足して俺の中から出ていった黒曜さんがささやく。 「輝、毎日俺たちのためにありがとう。 大切にするから…だから…」 その頃には俺の意識は朦朧として、最後の方の言葉は聞き取れず…ただ愛されている実感に満たされて…意識を手放した。

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