336 / 337

母の日に⑥

いつの間にか黒曜さんが俺の横に座り、俺達を抱きしめてくれていた。 「銀波、輝は勿論だけど、白磁も喜んでるよ。 とってもステキに描けたな。 さーて、どこに飾ろうか。」 黒曜さんは、泣きじゃくる俺から額を受け取ると、リビングの壁にあちこち当てがっては『ここはどうだ?』『こっちは?』と確認しながら考えていたが、俺たち三人が『ここ!』と納得した場所に取り付けてくれた。 見ていると、心がほっこりと温かくなってくる。 「シルバ…ありがとう…」 「えへへっ。ママぁ…」 尻尾を揺らし、俺に抱きつく力を強めたシルバを受け止め 「今夜は唐揚げ!」 と言うと「やったー!お風呂に入るー!」と叫びながら、バスルームに走って行ってしまった。 「輝、ステキなプレゼント、良かったな。」 ふわりと抱きしめられ、絵を見つめたまま答える。 「はい! おこがましいけど…俺、白磁さんの代わりが務まってるんだなって。 ちゃんとシルバのママになれたんだって思ったら…」 また泣きそうになるのを顎を掴まれてキスされた。 唇をノックしてくる黒曜さんの舌先に促され、少し開くと、ぬらりと入り込んできた舌にいいように嬲られる。 じゅるじゅると音を立て、お互いの唾液を飲み合う濃厚なキス。 ここじゃダメだと思いながらも、ずくんとお腹の奥が痺れ、黒曜さん右手が服の下に侵入して胸の突起を摘んだその時 うわーーーーーんっ!!! 銀河! 中断され恨めしそうな黒曜さんから離れ、ベッドで泣いている銀河のオムツを替え、ミルクを飲ませると、銀河は満足したのか声を上げて笑い出した。 「輝…今夜、後で…」 黒曜さんの呟きは聞こえないフリをして無視した。

ともだちにシェアしよう!