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第31話 危機
「おと…男…?」
誰かがポツリと呟く。
「男だ…」
周りがザワザワと騒がしくなる。
なんとか足を組んで股間を隠すが、恥ずかしさは変わらない。
いくら男でもこの格好は耐えられない。
「女かと思ってたのに…」
その言葉で自分の事を女と勘違いしていたと知り、祐は微かな希望を抱いた。
男など犯すはずがない。
もしかしたら、開放して貰えるのではないか?
けれどそうなると「騙した」「用はない」など逆に直ぐ様命の危機が訪れるのでは…という不安も押し寄せる。
しかし数秒後には、興奮の声が辺りを満たした。
「これで男とか、マジでスゲェ!!!」
「そこらの女より細くねぇかっ?!」
「何か色っぽい腰とか、堪んねぇなぁ~」
各々言いたい事を言い出したが、大男に首筋を舐められた祐がビクッと体を震わせ「んっ」と、擽ったさに声を上げると、再び静かになった。
全員が祐の恥態に目を奪われ、これから我らが頭との濃密な絡みを期待して興奮に身を乗り出していた。
「よしよし、初めてだからたっぷりと可愛がってやりたいが、今は時間がねぇからな~」
そう言うや否や、大男は祐を部下が敷いた布に横たえる。
これからされるであろう行為に、恐怖が全身を巡る。
ガチガチ歯の根が震える祐に、男が覆い被さってきた。
華奢な祐は、大男に完全に包み込まれる形になった。
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