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第1話
仲下丸。これは俺の名前である。
なぜ親がこの名前をつけたかは今はもう聞くことはできない。
親は帰らぬ人となり、
俺はアパートに独り暮らし……おっと。違う
一人暮らしだ。
確かに友達はまだいないんだけどね。
まぁ。今日は高校の入学式であり、俺が今後楽しく高校生活を送れるかどうかを左右する運命の日でもあるのだ。
運命の日……なんっていい響きなんだ。
きっと俺は入学式で一人の女の子と恋に落ちるはず!
中学の頃『付き合いたくないランキング1位』
だったこの俺も‼高校デビューをはたして、華やかな高校生活をおくるのだ‼‼‼‼
と、今朝までルンルンだった俺の気持ちは
今ドン底に叩き落とされている……。
何故ならば、入学式会場にはアイツがいたからだ。
小学校 中学校と一緒だったあの男。
イケメンで、何でもできて、優しいあの男!!
榊圭佑が‼‼‼‼
と、言ってもそんなキラキラした奴と
この平々凡々の俺が関わる機会があったわけではなく、あいつは有名だったので知っていただけに過ぎないのだが。
…他校の奴らも知っていた位だしな……。
……イケメンってずりぃよな…………。
ま、今更あいつと関わることなんてないだろうし。
とりあえず。
ボッチにだけはならぬよう、友達を作るために俺は人混みの中に足を進めることにした。
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