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第1話
楽しい?学園生活
春のうららかな日差しが優しく降り注いでいる。
今日は大蓮寺男子学園の入学式だ。 真新しい制服に身を包んだ新一年生がこれからの学園生活を夢見て門をくぐり抜けていく。
「あれ? どうしたんだ? 具合でも悪いのか?」
不意にかかる声、男子生徒は立ち止まり声のする方に目を向ける。
「何でもないです!」
慌てて頭を下げる
彼の名前は、斎藤翔(さいとうかける)
どこにでもいる平凡な15歳だ。
翔は頭を上げてビックリした。声をかけてくれたのはすっごいイケメンだった。彼は、翔の顔を見ると少し驚いた感じで、片手を上げて歩いて行った。
翔の教室は1C、掲示板で確認して廊下を歩いて行く。 (何処だろうと変わらない…。知り合いはいないのだから…)
出席番号を確認して席に着く、始業のベルはまだ鳴って無いから生徒がざわざわしている。翔は誰とも話さず席に座っている。 後ろの席の生徒が他の生徒と話すのをやめて前を向いた。
「同じくクラスだったんだな、よろしく俺は榊 夏目。(さかき なつめ)」
翔は驚いた。さっき門の所で声を掛けてくれたイケメンだった。
「斎藤 翔です、よろしく」 無難な返事を返した。 別に友達になりたいとは思わないし仲良くしたいとも思わない、静かに三年間を過ごしたいだけだから…
先生が教室に入って来た、ホームルームが始まる。
学園には寮がある、希望者のみが入っている。 もちろん翔もそこに住むことになる。
翔は父の再婚相手と折り合いがわるく家に居たく無い、継母は再婚当初から翔の事は無視している。 翔が7歳の時、妹が出来てからは父親も翔の事を居ないものとして扱っている。
あの家では翔の居場所は無いのだ。 だから寮のある学園は魅力的だった。
だけど寮の部屋は二人部屋ひとりになりたいがしょうがない。 同室者が静かな奴だといいなぁ。
生徒の荷物はもうすでに決められた部屋に運ばれている、あとは寮母さんから鍵を預かるだけだ。
「斎藤です、よろしくお願いします。」 軽く挨拶して鍵を受け取る。
「ハイハイよろしく、もう同室の人は来てますよ。」
どんな人だろう? 翔は自分の部屋だけど一応ノックをした
「はい、どうぞ開いてるよ。」 声を聞いてドアノブを回した
開けてそして閉めた…。
廊下のプレートを見る確かに翔の部屋だ。もう一度ドアノブに手を掛けたら回す前に中から開いた。
出て来たのは榊だった。
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