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第27話

怖かった 僕は詰まりながら昨日の球技大会後の話をした。 途中、声が震え、身体が震え、そんな僕を夏目は背中をさすりながら辛抱強く聞いてくれた。 「怖かった…何度も夏目のこと呼んだ。 でも知られるのが怖かった…嫌われたくなかった!ごめんね…僕、汚れてるんだ。夏目に好いてもらう資格ないよね。」 夏目はぎゅっと抱きしめて優しいキスをしてくれた。 「あっ、んっ、ふ…んあ…なっ、夏目」 夏目のキスはだんだん激しくなってきて、息ができなくて頭がクラクラしてきた。 それでも榊は翔の口腔を舌で撫でている。開いた口元から二人の水音が漏れている。静かな部屋に響いて翔は耳からも感じてしまう。 「んっ翔、大丈夫か?」榊は翔をベットに押し倒して声をかけた。 翔は呼吸を整えながら頷いた。 「俺、何があっても翔のそばを離れないって言わなかったか? 安心しろ!お前は俺のものだよ!翔が許してくれるなら、この手は何があっても離さないから。」 「離さないで!そばにいて!」翔はちからいっぱい抱きついた。 「翔…俺、お前を抱きたい。今すぐに…ダメか?」榊の問いに翔はまわした腕に力を込めて答えた。 「僕の全てを夏目のものにして!」榊は少し身体を離すとにっこりと笑った。 「俺は独占欲が強いぞ!覚悟しろよ!」 「僕の方が強いよ。覚えておいてね!」 二人で笑った。

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