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第26話

僕が目を覚ましたらカーテンからうっすらと明かりが見えた。 『朝かな? よく寝た…なんか身体も少し楽になった。 夏目は何処だろう?食事を持ってくるっていていたような…』 昨日のお風呂での出来事を思い出して僕は震えた。 夏目は気にしないと言ってくれたけど、僕に何があったかもう予想されてる…いやきずかれてる? そうでなきゃあんなところまで洗ったりしない! ちゃんと話して謝って…。 その時静かにドアが開いた。 榊が食事の乗ったトレイを持って部屋に入ってきた。 「起きてたのか? 食べれるか?」榊がトレイを机に置いた。それを見た翔はびっくりした。 そこには、翔の名前と夕食と書かれた紙がのっていた。 「え、夕食?朝食じゃなくて? 夏目、いま何時?」榊がカーテンを少しめくって答えた。 「今は、もう夕方の六時だよ。よく寝てたな。」 僕は一日中寝てたの? 翔は驚いた、そんなに寝てたとは…驚いている翔に榊が答えた。 「寝る前に飲んだ薬、睡眠薬だったんだ。ごめんな。」 「そんな謝らないでよ。よく眠れたおかげで身体も楽になったし…」 会話の途中でお腹が鳴ってしまった。 榊は翔を椅子に座らせると机を引き寄せて食べやすいようにした。 「いただきます。」翔はゆっくりと食事を取った。榊は翔をニコニコしながら眺めている。 「夏目は食べないの?」 トレイは翔の分しか無い。 「俺は先に食べたから翔はゆっくりと食べな。」翔は頷いて食事を再開した。 「ご馳走さま。美味しかった、ありがとう。」翔が箸を置くのを待って榊は話した。 「昨日、何があったか教えてくれないか?」榊がまっすぐに翔の目を見て話した。 翔は深呼吸をして答えた。 「聞いて欲しい…全部話すよ。」

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