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「替え玉いるか」
「えっあっううん、じゅーぶん、です」
俺の隣で替え玉をもらう緒方。
ちょっと背中丸めて、焼き豚醤油ラーメンを勢いよくかっこむ姿、かっけぇ、様になっている。
男の俺から見ても、憧れるくらい、男っぽい。
『えろ過ぎだな、佐藤』
エロも上手で、ん、上手だったよな?
だって初めてだったけど、あっ……んなデカブツだったのに痛くなかったし、きもちよかったし、いったし……。
俺はすけべ女子かっっ。
「食いながらえろいこと考えてんじゃねぇよ」
「ぶはッッ!?」
なにこの人!
まじでどんな嗅覚っつーか五感持ってんの!?
鋭すぎてヒくわ!
「口拭け」
「もご」
緒方は「拭け」と言いながら紙ナプキンで俺の口元をゴシゴシ。
それこそガチなカップルみたいで、ちょっと照れてしまう。
年が離れた弟扱いなのかな?
いやいや、でも弟とえっちしないだろ?
つーか、ほんと、これなに?
女装して女子高に潜入したアホアホ男子高校生のこと、緒方、どーしたいんだろ?
「この後どうする」
「えっ?」
「どっか行きたいとこあるか」
「えっえっあうっえっと」
「食いたいモンねぇのか」
「あー……しょっぱいの食べたから、甘いの食べたい?かな?」
ラーメン屋を出た緒方、あるのは知ってたけど行ったことはない、高校生には敷居が高そうなカフェに俺を連れて行った。
店内は女子同士かカップルばっか。
緒方はホットコーヒー頼んで、俺は抹茶とあずきのパフェ、注文して。
「うわーコンビニのよりうまーい!」
「ついてるぞ」
「えっどこっ!?」
「ここだよ(ゴシゴシ)」
………………。
なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!?
カップルじゃん、周りに溶け込んじゃってんじゃん、こんなん、緒方のカノジョじゃん!
もう我慢できなくなった俺は思い切って問いかけた。
「あのー、緒方さん」
「何だ」
「今日の、これは、一体……何なんでしょーかね?」
「お前には随分勝手な真似したからな」
あまーいスイーツの香りや笑い声に満ちた店内。
緒方の低めな声がいやに鮮明に聞こえた。
「その侘びだ」
「わ、わび」
「初対面で俺を盛らせたお前にも責任あるけどな」
「さ、さからせた」
「とは言え、な、強引過ぎた」
この人、破天荒な俺様かと思いきや、ちゃんと大人らしく反省してんだな。
「お前の処女奪った責任はとってやるよ」
あわわわわ、やっぱ破天荒だ、こんなトコでこんな話だめでしょ、ふつーしないっしょ!
「そういうわけで俺とお前、今日から付き合うぞ」
「へっ?」
「二股かけやがったらすげぇ罰あるから覚悟しとけ」
すげぇ罰? なにそれ! すげぇえろい罰とか!?
じゃなくて。
俺と緒方、付き合うの?
マジですか。
「また汚してんぞ」
「むぐっ」
悪い気しないのは、むしろうれしく思うのは。
いわゆるあれですか。
末期ってやつに向かってますか。
出会って間もないのに緒方中毒発症しかかってますか、俺……テヘヘ。
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