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38-5
「おい、早くしろ、熱が逃げるだろうが」
「あわわっ……じゃあ、お邪魔しまーす……」
とりあえず言われた通り、ブランケットを床に下ろして布団の中へ潜り込んだ、わぁ、ぬっくぬくだ、巽の体温でいっぱい……。
「あったかい」
ベッドの中で改めて向かい合って、妙に照れてしまって俯いたら、ぎゅって、ハグされた。
「そうだな、あったかい」
ひ……ひぃぃぃい。
オラオラ口調だったくせにぃ、いきなり優しい声になるなぁ、心臓に悪いぃ。
「お前が来てくれて大分楽になった」
ぎゃああああああ。
「た、巽さん、それ以上は、むり、俺の心臓止まっちゃう……」
ぬっくぬくな布団の中で、やっぱり目ぇ合わせらんなくて、スウェットに顔を突っ込んで呻いた。
「何だよぉ……来るなって言ったくせにぃ……俺のこと追い出そうとしたくせにぃ……」
「あれは建前だ」
「た・て・ま・え……ですか」
「来てくれて嬉しかった」
「っ……もぉやめろぉ……ばかばか……俺の耳妊娠させるつもりかっ……もぉむりっ……」
優しい巽にこれ以上心臓を毒されないよう両耳を塞いでやった。
そしたら自分の鼓動がどっきんどっきん聞こえてきた。
あったかいっていうより、熱い、熱くなってきた。
単なる今日イチの密着が、数年振りの再会みたいに思えてきて、巽の胸の上で一人こっそり悶絶した。
悶絶していたら。
顎、掴まれて、クイって、持ち上げられて。
キスされた。
「っ……え、ちょ、巽さん?」
「何だ」
「さ、さすがにそれは……やばくない? 風邪うつるんでない?」
「俺の風邪菌なんか撃退するんだろ」
「っ……意地悪言うなぁっ……そーいうの、足フライとるって言うんだぁ……っ」
「は……? アジフライ……?」
「揚げた足! 足フライ!」
「お前な……揚げ足を足フライなんて解釈するな、バカが」
「んっ……むっ……むっ……!」
冷えピタしてる病人とは思えないくらい、巽、どえろいキスをかましてきた。
口ん中、クチュクチュ鳴らされながら熱い舌でゆっくり掻き回された。
風邪菌伝染免れないような過剰粘膜接触、やらかしてきた。
「ん、む、む……!」
今日、そーいうことするなんて思ってもみなかったから、予想外の濃厚チューに焦って、すんげー……心臓どっきんどっきん、した。
「う、うつるぅ……こんなん、されたら……」
「うつしてやる」
「この鬼畜教師ッ……んぶっ……んむっ……んむむむっ……っ……っ」
しかもさ。
布団の中でほぼスカート捲れて丸出しになっていた太腿、ナデナデされて。
そのままおケツまで。
「……えろい感触がする」
「ぶはッッッ」
「お前、看病するからって、こんなモン履いてきやがったのか」
「ち、ちが……だから、最初は映画行くつもりで選んできたから……」
「映画終わったら俺とえろいこと愉しむつもりだったわけか」
「ッ……自分だって風邪引いてなかったらその気満々だったくせッ……つぅか風邪引いててもしてんじゃんかッッ」
ほんとだよ、俺はそのつもりじゃなかったのに、お粥あっためて帰るつもりだったのに。
「あ……ぅぅ……」
熱い両手で女物ぱんつ越しにおケツ撫で回されて、むにって抓られて、仕舞いにはピタピタ生地越しに指先でアソコまでくすぐられた。
「やぁっ……そこだめ、本番だめ……っ風邪引きたくないっ、連休遊びたいっ」
「知るか」
うわぁ。
冷えピタしてる病人とは思えないくらい、巽、ガチガチんなってる。
「巽さんってばぁ……マジでするの……?」
「病人だからって俺を見縊るんじゃねぇ、コーイチ」
「……マジかぁ……」
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