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Ⅲ:11

「ごめんね? 酷いことはしたくないのに、どうしても君のことになると強引なことして泣かせちゃう。君に泣かれるのが一番苦手なのに」 「…泣いてねぇし」 「物凄い勢いで泣いてたよ、今もまだ、泣いてる」  笑いながら、清宮が俺にキスをした。  軽くちゅっちゅと啄まれていただけのものが、みるみるうちに深くなっていって、いつの間にか舌を絡み取られ甘噛みされていた。  俺の、お気に入りのやつ。 「ンっ、ふ…んぅ、んっ」  やっと離されたと思っても、次々にキスは降ってくる。その内俺を抱きしめていた腕が背中を伝ってどんどん下に下がって行って、やがてたどり着いた尻をムギュっと鷲掴みにした。 「ンうっ!?」  驚いて声を上げても、それは呆気なく清宮の口内に呑み込まれて消えた。清宮の手は少しも止まる事なく尻を揉んで、やがて指が尻の窄まりを撫でた。 「ふぁっ!」 「首輪が無くても、君は俺の特別だから。もう二度と他のヤツは相手にしないし、触らない。俺の世界に必要なのは、伊沢くんだけだから。俺は、君だけのものだから」 「ンっ、あ、やめ…そこはっ」 「君も、俺だけのものでしょう?」 「あっあっ」 「今日だけでいいから、君が俺のものだって見せつけさせて。俺にどれだけ躾られちゃってるのか、いやらしくて従順か、見せつけさせて」 「ひぁっ!!」  デニムの上から、清宮が指を窄まりに捩じ込んだ。 「やっ、ぁ…」 「うん?」  パンツの中に溢れていたモノが尻まで伸びて、布と指の侵入を助けている。けれど幾ら助けを受けていたって、直に触っている訳ではないから指は奥まで届かない。分厚く堅いデニムが邪魔をして、入口を弄ぶのが関の山だ。  粘ついた音が静まり返った店と自分の耳に響く。けれどソレに値する快楽は得られていない。 「ちゃ…とさわっ」  ちゃんと触れよ。それを伝えたくて自らデニムを脱ごうとする。けれどそれは、清宮の手によって阻まれた。 「ダメだよ」 「なっ、だっ」 「誰にも伊沢くんの肌は見せたくない」  それだけ言って、窄まりに入れていた指を再び動かし始めた。 「あっぁあ、あっ、は…あっ」 「気持ちぃ?」 「た、たりな…」 「足りない? どうして?」  どうして? だってお前、いつもちゃんと触るじゃねぇか。中にちゃんと入れて、掻き混ぜるじゃねぇか。そんで…そんで… 「…れろ…」 「なぁに? もっと、ちゃんとハッキリ言って? ここに居るみんなに聞こえるように」  はっ、とどうにもできない熱い息を吐く。清宮の背中にしがみついていた手を外して首に巻きつける。 「ちゃ…と、いつもみた…に、しり…いれろ」 「何を?」 「…きよみ…の、コレ」  十分に硬さを持った清宮のそれを鷲掴みにした。清宮からも熱い吐息が漏れる。周りがゴクリと唾を飲んだ。 「…ねぇ、見たぁ? 可愛いでしょう?」  また俺を腕の中にギュッと抱き込んだ。そのまま俺は、欲しくて堪らないソレを触り続ける。  欲しい。これが欲しい。これを早く俺ン中にいれて、熱くて溶けちまいそうになるまで突っ込んで掻き混ぜて欲しい。 「これ、俺の恋人なの。もう、ただのパートナーじゃないの。俺だけのものなの」  清宮が俺を抱き上げる。 「今日だけはアンタらの膨らんだソレ、許したげる。けど、今後伊沢くんで抜いたりしたら俺、許さないよ。ハジメ、首輪拾って持ってきて」  俺を軽々とお姫様抱っこした清宮は、そのまま全員に背を向けて店を後にした。

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