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Ⅲ:13

 無理に捩じ込んだそれが、中で馴染むのも待たずに動き始めた。余りの激しさに俺はまたソファにしがみつく。 「ンっ! ンっ! あっ! い"っ、ひっ…!」  あのままswitchがかかっていれば、耐えられたかもしれない。けれど今は元に戻っているから、清宮の激しさに躰と感情がちぐはぐになって苦しい。 「もっ、ゆっく…ゆっくりっ」  頼むから、もっとゆっくり。懇願するように振り向いて、片手を俺の腰を掴む清宮の手に重ねた。だけど、どうやらそれは逆効果になったみたいだ。 「ごめんッ、可愛すぎて…無理っ」 「ひぃいっ…ンンっ、んぅ"うッ!」  重ねた方の手を軸に躰を持ち上げられ、両脇から腕を回された。膝立ちになった俺に清宮は激しく口付けて、そのまま躰を下から突き上げた。 「ンあぁあっ! あっ、ひゃあっ、あっ」  上下に躰が揺れて、頭が揺れて、視界が揺れる。そんな中で、俺の目が何かを見つける。  白いニットに包まれた細身の胴と、薄いベージュのパンツに通された長い足。そのバランスの良い躰の中心が、痛々しい程張り詰めている。  持ち上げた視線の先で、躰の持ち主と目があった。 (あ…篠原…)  けれどそれも一瞬のこと。俺の躰を支えていた腕に視界を遮られ、視界はあっと言う間に真っ黒に塗りつぶされる。 「俺以外、見ちゃダメ」 「あっ」  貫かれたまま躰をぐるりと反対に向けられ、清宮と向き合う。そのまま深く口付けられて、俺はそれに夢中になった。  今までどれだけ躰を合わせてきても、プレイの最中にキスをすることはなかった。キスは俺への〝ご褒美〟であり、俺をホッとさせるプレイ終了の合図だったからだ。だから一度たりとも、キスから始まる行為は無かった。けど…。  始まりか与えられるキスに夢中になっていた。途中で与えられるキスに溺れていた。これでやっと行為が終わる、なんて意識は今、頭の中に微塵も浮かんでいなかった。 「きよみや…」  キスの合間に音を零す。それを拾った余裕の無い清宮の顔に気分が良くなった。今までで一番、気持ちの良い瞬間だったかもしれない。  その後も永遠、俺は清宮に躰を食い荒らされた。ソファから寝室へと移動させられ、それからまた貪られて。堪らず根を上げて、もう止めてくれと泣いても奴は止めてくれなかった。 「も、無理だって! やめっ」 「俺も無理」 「あっ! あっ、ちょ…見ろよ! ほら!」  生理的なもので流れて止まらない涙を必死になって清宮に見せる。お前、俺が泣くのが一番苦手って言ってたろ!? 「うん、めちゃくちゃ可愛い」 「ちがぁああっ!」 「好き、大好き」 「バカッ、アホ! ひッ!? ひぃぃぃッ」  どれだけ罵声を浴びせても清宮は笑うばかりで、結局俺が白目を剥いてブッ倒れるまで、アイツは腰を振り続けた。

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