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第206話真夜中の訪問者3
(大野語り)
風呂に入ってから様子を伺っていたのだが、なごみさんからのサインは無く、大人しく待っていた。
好きな人が湯上りの中ほわーんとした雰囲気で色気を放ちながら、隣に座ってテレビを見ている。なごみさんは、水色のパジャマを着ていて、俺が視線を斜め下に落とすと、白い肌の鎖骨から胸の突起付近までを確認することができた。当然のことながら視線がそこから離れなくなる。パジャマの上に羽織ったカーディガンですら色っぽく思えてきた。
今ならミニスカートに目が離せなくなる男の気持ちを理解することができる。いや、俺もミニスカートは好きだけど、興味本位と下半身に直接クるものは明らかに違うのだ。
眠そうだったため半分諦めて寝ることを勧めたのだが、なごみさんから誘いが来て嬉しくなった。変な笑い声が出そうになり、咳払いでごまかした。
ハードルが高いと思っていたシックスナインも難なくやらせてくれたし、酒の力を借りなくてもなごみさんは十分理性の取り締まりが緩くなっていた。やだ、と恥ずかしそうに言っていたが、あんなの俺にとっては煽りでしかない。ヨーイチが夢に出てきて狂っていた欲望リズムが、なごみさんで元に戻ってきた。あのクソ猫は嫌いだ。
ベッドに場所を移して、なごみさんの後孔をローションでトロトロにする。また自分で少し解しているな、と興奮しながら指で広げた。中の熱がローションを液状にしていく。
温かくて柔らかいのに狭くて赤いそこは、指を挿れるたびに締め付けてきた。
ギンギンに勃ったモノにゴムを付けて入り口に当てがい、亀頭でノックしながら、後ろ向きで枕に顔を埋めてる恋人に話しかける。
当てる度に腰が少し浮く。俺を待ってくれる姿に堪らなく愛しさが溢れてくる。
「挿れますね……はぁ…気持ち、いい……ですか?あぁ…………久しぶり。あなたの中は、最高です」
「んん……ふぅ……ぁぁん、おっきい……本当、久しぶりだね」
ゆっくりと抽送を始めると、なごみさんが後ろに顔を向け、熱っぽい目で見つめてきた。
俺は後ろ向きが好きではない。なごみさんが感じている隙に身体を反転させて正常位に変えた。
そして右足をなるべく上にあげて打ち付けるように腰を動かす。ぱちゅん、と水音がする度に、なごみさんの眉間にシワが寄った。
「あん、ぁ、ァッ……や、ぁ、は、いいっ……すごい……よ、あッ……」
「相変わらず、エロいっすね……」
「そんなの……ぁぁんっ……お互い様、でしょぅ」
間接照明が結合部を怪しく照らしている。
勿論、その上にあるなごみさんの大切なところは丸見えな訳で、俺は凝視しながら快楽に耐えていた。本人は、涎が垂れるくらい乱れているから気付いていない。
なんだろうな。こんなに気持ち良さそうな姿を俺がさせてるのかと思うと、それだけでイキそうになる。自分の息子を讃えたくなるのだ。愛しさは留まることを知らない。底なしだから、終わることなんてない。
俺は、この人が大好きだ。
「ぁ……また、おっきくなった……そこ、こするの、すき……ぁ、ぁ、イッちゃうよ……はやとくん……」
思いっきり腰をグラインドさせて突くと、なごみさんの背中が綺麗に反った。
「よういち、さん……すき、です、あなたの、全てが……んん、ぅ……」
手を伸ばしてきた洋一さんを強く抱きしめて、最奥へ導かれ果てた。搾り取られるように中がうねるので、気持ちよく身震いする。
放心状態のまま、しばし重なり合っていた。
勿体無くて、抜くのも惜しい。もう少し、あと少しでいいから、繋がっていたい。
「隼人くん……もう一回する?」
なごみさんにぎゅうと抱きしめられたまま耳元で言われた。優しい声にニヤリ顔が隠せない。
心臓がバクバクいっている。
「…………いいんですかっ」
「いいよ。このまま再開しよう。隼人君のいいタイミングで動いてくれたらいいけど、ふふっ、もう固くなってる。どうぞ。僕もまだ足りないし……」
「はぁ……嬉しい。あの、次は洋一さんが上に乗って欲しいです」
「うん。じゃあ一旦抜いて……ぁぁんっ……ゴムを替えよう。いっぱい出たね」
既に天を向いている息子に、なごみさんが甲斐甲斐しくコンドームを交換してくれた。
どうにかなっちゃうくらい満ち足りていて、ふやけそうだった。
ヤバい。このままだと幸せすぎてボケる。
そんなことを考えていると、俺の上に、なごみさんが跨った。挿れるよと目で合図されたので、不意打ちで、下から突いてやろうかなと準備した時だった。
ピンポーン……ピンポーン
チャイムが無機質に鳴り響いた。
2人で顔を見合わせる。夜中の行為が煩かったから、近所からの苦情だろうか。
ピンポーン、ピンポーン
こんな時に誰だろう。
相手がどんな人であれ、セックスを邪魔されたので快くは思わなかった。
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