6 / 6

第7話

───── 「ねぇ、りょーくん、聞いてるー?」 「あ?何?」 どこの誰だか知らない。 とりあえず、校門前で見かけた女。 甘ったるい香水と甘ったるい声。 頭痛がする。 いつもなら、愛想笑いだって簡単に出来るし、 女が求めてるような台詞を吐くことさえ容易い。 でも、今はそんな気分じゃなかった。 本物を知ったから、尚更。 あのまま、ユキと一緒に帰ってたら、 きっとやばかった。 あの時だって、 理性を保つのが精一杯で。

ともだちにシェアしよう!