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第5話
とぼとぼと何もわからないと言っても過言ではない状態で車に乗らされ猫を抱きかかえて少しの不安を和らげる
なうなうとゴロゴロ喉を鳴らして頭をすりすりして腕をふみふみするなーに心があたたかくなる
車の優しい運転にまぶたが重くなる
意識がなくなる直前
フワフワな物が頬を撫でた気がした
《なぅ……んなぁぁぁ》
ぷにぷにと頬が押される感覚がして目を開けると車の中ではなく大きなベットの上
横にはいつもより気持ち凛々しくなった顔をしている なー
よく見ると何も無かった首にネクタイと襟がついた首輪がしてあった
「なー、どうしたんだ〜それ」
「起きたか」
「ハッ……」
忘れてた……ここ……狼さんの家……
寝室のソファーに腰をかけているあった時よりもラフな格好になった狼さんにドキドキする
「お腹すいてるだろ
寝てる間医者に見てもらった
お前は軽い栄養失調だ
猫は健康そのものだったがな」
「ンゥ……」
どうやら自分を疎かにしてなーに全部を注いでいたのがバレているらしい
結んだ口から変な音がなる
パタンと本を閉じる音がして顔が近づく
(スンスン)
「ぅ……」
長い鼻、ふわふわな毛並み、尖った耳
本当に獣人さん……
「そろそろ発情期だろ」
「ぅぁ……はい……」
「発情期が来たら番にするから心の準備しておけ」
頭を撫でられ持ち上げられ
胸のふわふわの毛に顔が埋もれる
(いい匂い……)
椅子の上に降ろされるとお粥が出てきて手際よくお皿に盛り付けられ目の前に小皿に盛り付けられた卵粥が置かれる
「狼さんがつくったんですか……?」
「当たり前だ
家のことは全て俺がやっている」
「でも、お金持ちですよね……
家政婦さんとか……」
「そんなのは雇わん
家政婦雇うのは家が馬鹿みたいにでかいか自立してないやつ位だ」
この家もパッと見すごく広いがきっと狼さんには狭い位なのだろう
狼さんが食べるのかお粥の他にサラダやお肉やお米やと色々大きな机に並べられていく
「すごい……食べますね……」
「当たり前だ
獣人は1回の食事で普通の人間よりも倍は食べる
これでも控えてるくらいだ」
コップが空になるとすぐに注いでくれて小皿が空になるとお粥を入れてくれる
いつもテレビで見ていた獣人さん達とは違う感じが
少し変だった
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