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第1話

どうしてこんな事になっているのか... 皆目見当がつかない。 私の名前は小川健二。年齢は52歳。 しがない営業職で、何処にでもいる日本のくたびれたサラリーマンだ。 趣味という趣味も無く、妻にはつまらない男と言われ、2年前に可愛い一人娘を連れて出て行かれた。 唯一の自慢は歯並びが綺麗な事。 真面目一筋、生きがいもなく、只々息をして生活している毎日だった。 ――――――ハズだった。 目を覚ますと見覚えのない天井。 ぼんやりとした頭で情報を処理してみると、此処は薄暗い部屋でベットの上。 今しがた気がついたのだが、両腕の身動きが取れないのは、ギッチリとベットの鉄パイプ製の手摺りにロープで縛り付けられているからだった。 人の気配を感じ、そちらに目を向けると、、、 眼下には何やら光る細いモノを持った男がいる。 「...ひっ...!!...ななな...なんだこの状況は...!」 ナイフの様な物を持っている!!突然頭がはっきりしてきて恐怖が襲ってきた。 「あ、おっはよー♪って、まぁ今は夜中の2時だけど。オッさん気がついた?」 元気いっぱいに明るく答えてくる、今時のファッションに身を包んだ20代ぐらいの金髪の青年に見覚えは無かった。むしろ私の生活に関わる事のない人種だ。 「...ここは?どこだ?...君は...?」 「まぁまぁ〜♪堅っ苦しい事は抜きにして、さっさとヤっちまおうぜ♪」 「やる・・・って‥何をだ???」 ニヤリと笑った青年の口元から白く光る八重歯がキラリと光った。 「調教開始だ」

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