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「っ……」
息を詰め天野の頭に手を置くヒスイは躊躇っているかのように、何度も天野の髪を掴んでは離すを繰り返す。次第にヒスイの昂ぶったモノが硬度を増し、天野が口に含むのも辛いものとさせていく。
「うっ、んっ……」
頭を動かし必死で愛撫していくうちに、天野の下腹部も興奮で蜜を零し竿を伝っていくのが分かった。気づけば浴衣が肩口から落ち、布団の上に広がっている。
「っ……おいっ、もう離せ」
ヒスイに優しく肩を押され、天野の口から唾液と共に糸を引き離れていく。微かに荒い息遣いと共に布団の上に腰を下ろしたヒスイに、天野は向かい合うように跨ると膝立ちの体勢を取った。
「お前……何処でそんな事を覚えたんだよ」
ヒスイは顔を顰めつつ「口開けろ」と呟き、天野の唇の隙間から自らの二本の指を差し入れる。
「はぁっ……んんっ……」
ヒスイの柔らかい舌先とは違う、固く長い指が天野の舌を弄ぶかのように絡み合う。唾液が天野の唇の端から伝い、それを見つめるヒスイの瞳に扇情的な影を落とす。
「男のくせに色っぽいよな。いじめたくなるのも分かる」
ヒスイの悪戯っぽい口調は、縁側でお酒を飲んだ時の事を思い起こさせた。天野がヒスイに思いを告げ、ヒスイもそれを受け入れたかのようにも思えたあの日の夜。まさかその行為が、遠回りさせる要因になるとは天野は想像だにしていなかった――
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