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ガマンデナインデス

◆◆◆◆◆ 「琳の負けね」 ベッドで軽く死んでる俺にニヤつきながら言う小麦が腹立つ。 何で俺の負けかって………既に俺は小麦に6回いかされてる。 小麦は玄関での1回だけ。 俺はもうグッタリで起き上がれないけど、部屋中がイカ臭いのをなんとかしたい。 「まあ、これくらいで勘弁してやるよ」 余裕の小麦は換気の為に窓を開ける。 「くしゅん」 小麦のくしゃみに俺はドキッとした。また、獣? えっ?逃げたんじゃないの? 俺また、やらしい事されちゃうの?もう、無理…… なんて、考えてたら、「にゃ~~ん」と猫の鳴き声。 「あっ、この前のにゃんこ!」 俺は起き上がり窓をみた。 フサフサのにゃんこがまた来てる。 おいでって言いたいけど、「くしゅん」って小麦がしくゃみをするから中へ呼べない。 「琳、触りたいんだろ?いいよ?」 小麦は猫を捕まえてベッドへ。 しっかりクシャミしながら。 「小麦、アレルギーじゃんいいの?」 「なんか、そのセリフだと俺アレルギーっぽいね。小麦アレルギー」 クスクス笑う小麦。 「大丈夫だよ。マサ兄にアレルギーの薬貰ってるから」 「そ、そう?じゃあ、ちょっとだけ」 俺は猫をぎゅーと抱っこ。 フワフワだあ。気持ちいい。 「なんか、裸で動物抱くのエロいね」 そう言って小麦はパシャとスマホのカメラのボタンを押す。 「ちょっとおおおお!また撮ったな!」 「いいじゃん、大事な所は猫で隠れてるし」 「ばか!そんな問題じゃねーーよ!あ、動画消せよな!」 「はっ?なんで?」 小麦は正々堂々としらを切る。 「ご奉仕したら消すって」 「琳ばっか6回いったのに?」 ううっ、くそっ!! 「でも、約束したろ?」 「69やってないじゃん」 「あ、あーいえばこーいう!!ばか小麦」 「今日は琳、疲れてるから先延ばししてやるよ。次、やってもらうから」 「へ?」 「それとも、裸エプロンとか……あ~~、コスプレでもいいなあ」 ニヤニヤする小麦。 「ばかばか!消す気ないんじゃんか!」 「あたり」 小麦はニコッと笑うと、猫を俺から取り上げベランダへ。 「もう限界!ごめんねにゃんこ」 そう言って窓をしめた。 「ハックション!」 派手なクシャミを繰り返す小麦。 「く、薬は?マサハルさんから貰った薬飲まなきゃ」 俺はふらつく足でベッドから降りた。 「優しいね琳は。いま、怒ってたのに」 「ば、ばか、当たり前だろ?そんな苦しそうなんだから、で、薬どこ?」 「そこの引き出しの上みて」 指さされた引き出しを開けると、薬の袋があった。 「これね。あっ、水持ってくる」 俺はグラスをとり、水をそそぐ。 そして、小麦の前に差し出す。 「飲ませて」 「へ?」 「口移して飲ませてよ。俺が琳にしたように」 小麦は俺を引き寄せる。 「じ、自分で……飲んで」 って、言いながら俺ってば薬を口にくわえてるよ。 で、そのまま、小麦の唇へと薬を運ぶ。 薬を口移しで小麦へ飲ませると、水を口に含みまた、小麦の唇へと運んだ。 小麦の両手が俺の背中へ周り、深いキスへと変わっていった。 小麦ってキス上手い………よな? すげえ、気持ちいい………俺、キスは小麦以外誰ともしてないから、誰と比べるってわけじゃないけど。 気持ちいいのは確か。 ふと、唇が離れて、 「リンのそのエロい顔好き」 そう言われて、今度はホッペにキスされた。 「え、エロい顔ってなんだよ?」 「いま、みたいな顔だよ………他に見せるなよ?リン……見せたらお仕置きするからな」 「な、なに、命令してんだよ?そ、それに誰に見せるんだよバカ!」 急に恥ずかしくなったじゃないか!バカ小麦。 俺は小麦の腕から逃げようとする。 「離さないよリン」 ぎゅむううう!!と力入れられた。 「一緒にねよ?………この薬、結構眠くなりやすい……から」 ふと小麦の力が緩んで体重がかかってきた。 えっ?まさか寝た? 小麦をみると、目を閉じてる。 そして、寝息。 うそーん!!! 俺は小麦を寝かせる。 寝息をたてる小麦…………可愛いよな、コイツの寝顔。幼くなるしさ……いつもはエロ小僧のくせに可愛いとか、可愛いとかムカつく!! 俺に良く可愛いとか言うくせに小麦の方が可愛いだろーが! 頭を撫でてみる。 サラサラな髪。 綺麗な黒髪。俺の髪は薄い茶色だから羨ましい。 俺も黒髪が良かったな。まあ、外国の血混ざってるから仕方ないけどさ。 小麦って高校生のくせに発育いいよな。俺より背高いし、筋肉もちゃんとついてるし………… ふと、小麦の全裸を思い出して顔が熱くなった。 ばかばかばか!!俺のばか!! 頭を振って小麦の裸体を脳裏から振り払う。 未成年に何熱くなってんだよ俺。 そうだよ!小麦は未成年だぞ?保護者が必要……………って、そうだ、コイツ一人暮らしだ。 この部屋で1人………だったんだな小麦。 高校生って無条件で家に帰ればご飯があって、洗濯された服を着れて部屋も掃除してある。 お小遣い貰えて、当たり前にワガママも通る。 俺もそうだった。 色々と親にして貰ってたのにうるさいとか、ほっとけ!とか、うるさいから1人暮らししたいとか。 でも、実際高校生で1人暮らしは辛い。 何でも1人で決めなくちゃいけない。 当たり前にあったご飯も掃除も洗濯も、全部1人でやらなくちゃいけない。 そして、勉強もしなきゃいけない。 それを小麦はちゃんとやっている。 掃除も洗濯もご飯も手際がいい。 凄いなあ……… 「小麦、お前偉いなあ」 俺は小麦の髪をサラサラと撫でると額にキスした。 キスして……………恥ずかしくなる俺。 今なら死ねる!! ああ~、もうう、何やってんの俺は! 顔がさらに熱くなった。 小麦にチュウとか………チュウとかさ、 唇が視界に入り、思わず指先に触れる。 プニプニ。 いつも、俺にキスしてくる唇。 男の俺にキスとか………そして、俺を好きだと言う。 男なのにさ。 小麦は女の子好きにならないのかな? 絶対にモテそうなのに。 俺は小麦に顔を近付けて唇にキスした。

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