56 / 67
ガマンデキナインデス 12話
「琳こっち向け」
小麦に言われてつい、言われた方を向いてしまう。
顔が近付いてチュッとキスされた。
「琳……もう1回しよ?」
「は?」
聞き返しながら俺は押し倒された。
「小麦!!何回やればいいんだよお!」
「俺、やりたい盛りの高校生だよ?」
その高校生に組み敷かれている俺っていったい……。
「琳も気持ち良い事好きだろ?いつも、イヤイヤ言いながら快楽に弱くてトロンとした顔になってる……俺、琳のエロい顔好き」
ちょ!!快楽に弱いとか高校生に言われるなんて……そういうのって大人が言うセリフだろ?余裕ぶっこいた感じで。
「な、生意気言うな」
「言われたくなかったら琳がリードしてよ……いいよ?琳になら抱かれても……琳、童貞卒業したいんだろ?」
うっ!!小麦の方が余裕ぶっこいでる。
ちくしょう!どうせ小者だよ。小麦を抱くって考えただけで鼻血出せるんだからな。
お、俺だって大人だ!
俺は小麦に両手を伸ばして引き寄せ、抱きしめたまま体勢をくるりと反転させ俺が上に。
大人の余裕を見せてやるうう!!
「琳……リードしてくれるの?」
組み敷いた小麦は色っぽい。
綺麗な黒目がちの瞳が俺を真っ直ぐ見ていて、なんか犬みたいだ。
小麦は和犬というより大型の犬だよな。ドーベルマンとかシェパードとか……あ、2匹ともドイツやん。ロットワイラーとか……これもドイツか。
バーニーズマウンテンドッグってどこだっけ?
「バーニーズマウンテンドッグ」
「は?」
つい、心の声がでてしまい、小麦が不思議そうな顔で俺を見ている。
「あ、いや、小麦って大型犬っぽいなって」
「ああ、それでバーニーズか……どうせならオオカミがいいな。琳にはオオカミになるから」
「オオカミ……」
確かに!!
「琳はポメラニアンとか似合うね」
「くそ!またドイツかよ」
「えっ?」
心の声が聞こえていたわけではないけど、小麦が偶然にもドイツの犬種を口にする。
「小型犬は嫌だ!せめて中型犬がいい」
「あはは、琳ってば可愛い……そんなに可愛いなら俺がオオカミになるぞ?」
はっ!!しまった、俺がリードするんだった。
「い、今からキスする!」
いきなり宣言。
小麦は俺の宣言を聞いて笑い出す。
「琳……本当に可愛い」
小麦は俺を引き寄せて、そのままキスしてきた。
キス……上手いよなあ小麦。
俺は小麦の口内へ舌を入れた。だって、俺がリードするんだから。
ともだちにシェアしよう!