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プロローグ

私は、キッチンに立つ彼の姿を、いつも目で追ってしまう。 「ご飯、出来ましたよ!」 「わぁい!あきらくんのごはんだぁ!」 いつも笑顔を絶やさない。誰にでも好かれるアイツの優しさを、私は……独占したいと思ってしまう。 「はい!天野さん!」 「あ、あぁ……有難う」 アイツから渡された茶碗の中には、炊き立てのほかほかご飯が、きめ細やかにつやつやと光っている。 私には到底出来やしない。 だから、出来ることなら。 「はい!じゃあおててを合わせて」 「いただきます!」 ずっとこの先も、この三人で一緒に食事をしたいと……私は無謀な事を考えてしまうのだ。

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